これは第2のげんしけんとなるか「僕らはイタい生き物だ。・第1巻」



僕らはイタい生き物だ。

人気作家(メロンブックス談)・赤井吟行先生の作品が出ました。
今回の新連載作品は、アフタヌーンで初連載「じゃりテン」を出した後、某誌に移籍した後の作品となります。赤井先生の師匠でもある桂明日香先生がグフタで連載を持っていますし、まあ・・・合わせ技で講談社だなと思ってます。

新連載「僕らはイタい生き物だ。」講談社作品みたいなものです。(←本当はアスキー・メディアワークス電撃マオウさんの作品です。

しかしまぁ、赤井先生の絵は相変わらず・・・可愛い!!!ものすごく可愛い!!ベラボーに可愛い!!!あと、赤井先生も可愛い(トルドさん談)。前作の「じゃりテン」でも可愛い女の子、特に赤ら顔が最強だったわけですけど、今回の作品も負けず劣らずといったところ。ただ、今回は作品の特性上、男の子に照れる・・・ではなく、自分の行いに照れる女の子が描かれています。まぁ、それはそれで・・・。




ある日、偶然いた秋葉原で見かけた友人。そこで知る初めての事実。




「お前・・・オタク・・・だったの?」





左が友人、右が主人公

中学からずっとテニスに夢中だった主人公の菅原誓(スガワラチカイ)。彼女もいて(1巻冒頭でフラれてますが)、スポーツが優秀で(ヒザを壊しましたが)、これぞリア充ですね爆発しろ!と言わんばかりの主人公です。オタクを描いた作品なのに、主人公はオタクをバカにする一般人!!ただまぁ、ずっと夢中になってたものがことごとく消えていき、気分転換にカラオケでも・・・と誘おうと思った友人が秋葉原にいた!アニメ絵の袋を持っていた!袋の中身は同人誌だった!



・・・そんな友人に対し、誓はこう言い放ちます。










イタすぎる

さて、ここで確認ですが・・・皆さんはオタクですか?アニメや漫画のオタクだったりしますか?同人誌を売ったり買ったりなんてしてますか?・・・で、そんな趣味を隠してますか?
このあたりは非常に難しいところですよね。俺の知り合いの麻雀漫画好きは会社ではオタクであることを隠しているそうです。いや、そもそも俺の知り合いのほとんどがオタク趣味を隠していることが多いですね。ドルオタは?鉄オタは?世の中には色んなオタがいます。主人公の誓だって、言い換えれば元々はテニスオタクだったと言っても差し支えないはず。しかし、アニメや漫画にドハマりしている人、「萌え〜」とか言ってそうと思われる趣味を持っていると、なかなかカミングアウトができないものです。




どんな反応をされるか・・・怖いから。



オタクだと発覚した友人に、それはもう酷い言葉を浴びせる誓。茶番だ、現実逃避だ、こんな絵に何必死になってるんだ。多分、自分がその場にいたら耐えられませんねw
ただ、そんなリア充代表の誓に対し、作中のヒロインとして、オタク代表として、ハイジという女の子が出てきます。この子がとても良い。何が良いって・・・とてつもなくイタい。二次元への没頭ぶりが・・・かなりイタい。それなのに誓にとってのボーイミーツガールとなる展開。なかなか見逃せない恋模様(?)が描かれます。



この恋は無理ゲーなのに

ハイジ曰く、誓たちリアル側は付き合える付き合えないというルートが2つもある。だけど、(二次元)オタクはどう頑張っても振り向いてもらえない。だからこそ妄想する。イタい生き物は妄想する。二次元への恋は・・・逃避じゃない。リアルから逃げているわけではない。無理ゲーな恋だからこそ・・・




そういえば、かのげんしけんにおいて、オタクというのはなろうとするものじゃなくて、いつの間にかなっているものだという発言があったかと思います。どうしても、やはり・・・どうしても、オタクになった者とそうでない者って、どこか壁ができているものなのかもしれませんね。なので、オタクたるハイジと、オタクなんてwと笑う誓にも大きな大きな壁が出来上がっているように思います。基本的に交わることは・・・ないですよねー。
まぁそんなオタクをバカにしていた誓ですけど、態度を改め、バカにしてしまったことは反省した模様。











なお、







たかが本で・・・

反省もしていない模様
ダメだ・・・コイツとはきっと相容れない・・・orz






・・・というわけで、ここまでが前段となります。
オタクが一般人とどう向き合うか・・・という観点での作品ではありません。逆です。一般人がオタクに出会ってからを描いた作品。この作品、何がスゴイって・・・オタクサイド(友人たち)から散々叩かれた後、誓が同人誌を作ると言い出します。「あんなもん鼻ほじってでも作れる」とかまで言い出す始末。そして、ここからが怒涛の展開。



同人誌を描く!

ぶっちゃけた話、ふっつーの人がいきなり同人誌を作ろうと思って出来るとは思えません。ましてや誓は絵を描いたことがありません。作中でのハイジの同人誌はとてもハイクオリティ。そのレベルの同人誌を簡単に作ってみせると思うあたり・・・かなり無謀なお話です。
ただ、一般人がオタクの気持ちを知るべく同人誌を作ってやる!という展開にいくのはとても面白いですね。さすがに1巻やそこらでの話ではないでしょうけど、今後、誓がすごい同人誌を作る可能性も・・・?


変わりゆく誓 ※BL展開ではない

実のところ、誓は自暴自棄になっていました。ずっと大好きだったテニスを辞めるしかなかった自分を悔やんでいたのでしょう。だからこそ、大好きなものに夢中になっていたオタクを、叩きやすい、下に見やすいオタクをバカにしたんだと思います。ただ、そんな誓もオタクと接していくことで変わっていきます・・・。





オタク嫌いだけど・・・

さてさて、本当に誓は同人誌を作れたのか。ケンカしたハイジと仲直りできるのか。恋愛展開にいくのか。そのあたりは是非是非読んでもらえればと思います。ただまぁ、今後の展開を考えても、ガチオタハイジが誓と恋愛展開になるのかというのはちょっと信じられませんが・・・。
誓は“何かに熱中する”ことを知らない人間ではありません。ただ、どうして漫画やアニメに熱中するのかが分からないというだけでした。オタクとの出会いをきっかけに、オタクがどうして熱中するのかを学んでいく様はなかなか面白いものです。そもそも勝ち負けの世界しか知らない男が、いきなり同人誌の世界に入ってみるというのもスゴイ展開ですけど。いや、もしかしたら超大手サークルとかは勝ち負けあるのかもね。さすがに知らんけども。




この作品はどれだけオタクが作品を愛しているかが非常によく描かれています。そして、イタいと評されるその生態もよく分かるものとなっています。その点がとても大好きなんですよ。記事タイトルにげんしけんという名前を出してしまいましたが、さすがに全く一緒というわけではありません。ただ、オタクってこんな感じだよーと伝わる作品になっているかと思います。オタクの方からすれば、なかなかに痛し痒しなところもあるかもしれませんね。最近だと、げんしけんほどにオタクの生態を描いた作品がなかったな〜と思い、かなり期待している作品だったりもします。まぁ、あくまでも俺の観測範囲内での話ですけど。
しかしまぁ、オタクってのはイタい生き物なんですなあ。えっ、俺ですか?いやいや、俺はオタクとかじゃありませんよ。違います違います。ただちょっと講談社が好きなだけです(十分イタい


そうそう。最後にどうしても念押ししておかなければ。やはり何と言っても、赤井先生の描く女の子が可愛い!最高です。オススメは誓の妹でしょうか。



ブヒィィィィィィィィィィィィィィィ

・・・それでも俺はイタくない。






ちょいと余談ですが、誓の元カノ・ののかとハイジは同じ学校に通っています。もちろんハイジはオタクを隠しており、ののかは超リア充側。ハイジはののかに対して憧れてたりもしており・・・。今後、どういう展開になるのかが気になります。ののかが誓に多少の未練があり、ハイジと誓が一緒にいるのを見たとしたら?なーんて、ちょっと楽しみだったり。あと、1巻ラストで謎の美少女が登場したりと、先がかなり気になる作品ですよ。オススメ。