祝!マンガ大賞2013・・・2位!!「ボールルームへようこそ・4巻」



マンガ大賞2013第2位!!

ボールルームへようこその4巻が出ました。去年の漫画賞レース・・・講談社作品で太刀打ちできた数少ない作品だったような・・・うっ、頭が。講談社作品がナンバー1!講談社作品がナンバー1!(←洗脳済み
というわけでマンガ大賞で2位になりました。非常に残念でしたが、話題になるというだけでも素晴らしいことだと思います。来年は1位になるといいですね!いや、きっとなる!何故なら・・・4巻はもっとすごいから。天平杯の終わりまで見ずしてボールルームを語ることはできません。熱い!本当に熱い!4巻までは絶対に読んでほしい。そう願う毎日です。




タタラとマコ、二人は仲良し!

現在、主人公の富士田多々良(フジタタタラ)が参加している天平杯。本来ならば、タタラは独り身、兵藤清春&花岡雫、赤城賀寿&赤城真子という組み合わせだったんです。しかし、雫が清春に対して不信感を持ち、赤城兄妹はケンカ。その結果、タタラ&マコ、ガジュ&雫というコンビになってしまいました。なお、清春は怪我してます。タタラとしては雫には清春と踊ってほしい、マコは自分の能力が足りないとこき下ろしたガジュを見返したいと思ってます。天平杯、タタラたちが勝利すればガジュ&雫のコンビを解消してもらえる。そんな大会。
さて、3巻ではタタラが通常のダンスではない取り組みをしています。本来、リードする男性(リーダー)とリードされる側の女性(パートナー)で構成されるダンス。タタラはリードというよりは、マコ自身を輝かせる、引き立たせる演技をします。それによってマコが隠し持っていた魅力が引き出されていきます。それはいつもコンビを組んでいたガジュですら知らなかった実力・・・。
というわけで、良い演技ができてニコニコのタタラとマコニー。実はマコだけが褒めてもらえてるんですけどね。タタラもマコが褒められてて、というか自分がやりたいこと(マコを輝かせること)ができて喜んでいます。ただ、これはとても重要なんですが、ダンス競技はリーダー次第なんだそうです。リーダーが輝いてこそ競技としての点数も付く。タタラがやったのはその逆なんです・・・。つまり・・・。



すごい振り付けなんだ!

そもそもタタラは素人なんですよ。大会のラストにまで残っちゃってますが、これが初めての大会。むしろ、大会に出ていいのか怪しいレベル。マコとのコンビも突貫工事でした。いや、それだけガジュ&雫というコンビが許せなかったんだと思いますが・・・。
大会も終盤に来て、タタラは技術の拙さと体力不足を露呈します。しかし、タタラは踊り続けます。観客を煽りながら踊り続けます。踊りたい。踊り続けたい。ずっとずっと踊りたい。大会が終わってほしくない。もっと練習したかった。マコというパートナーを見てもらいたい。そして、仙石がタタラとマコのために準備してくれた振り付けを見てもらいたい。それらの感情が会場を沸かせます。あくまでも一瞬。あくまでも一部へのアピールでしたが。



全巻を通して言えることですが、この作品には“熱”があります。そして、“ダンスって楽しい”というメッセージがガンガン伝わってきます。それはタタラだから出せる魅力なのかもしれません・・・。





無慈悲な結果発表

タタラのダンスは点数に結びつくものではありませんでした。自分の最高のダンスをして、「勝てるかもしれない」と感じたそうです。それは全力を尽くしたからこそ感じた実感。ただ、現実は無情でした。優勝はガジュ&雫組。この二人のダンスは大会の中でも圧倒的な実力を見せました。正直、正直・・・タタラが敵う相手ではなかったですねぇ。
途中、雫が恐ろしいほどの技術を魅せつける場面があります。当然、基礎がないとできないダンス。ガジュを逆に支えるほどのダンス。実に妖艶で、実に重厚なダンス。また、ガジュも負けじとパワフルなダンスを踊ります。最後はタタラと同じくぶっ倒れるほどに踊っています。


踊った4人

天平杯を通してみると、本当に面白い。何が面白いって、登場人物全てがタタラを中心に動いていた、焚き付けられたことなんです。何度も言いますが、タタラは素人。彼が影響を与えるなんて、それこそ奇跡なんです。
タタラのパートナーたるマコちゃんは、タタラの献身的なダンスにより自身を輝かせることができるようになりました。ガジュはタタラの熱に当てられ、いつも以上に頑張っていたように思います。タタラに釣られて笑顔になった場面なんて特にそうかもしれません。雫も、清春を本気にさせたタタラのダンスを通して、ガチになっていきます。持てる全ての力をぶち込んでいるのがよく分かります。見ているだけだった清春も千石さんも・・・熱くなってます。



「踊りたい」



言葉にするとたったそれだけ。でも、この作品の根源でもある感情。タタラは、下手っぴなタタラは、皆に踊りたいという感情を起こさせます。もちろん読者にもね。でまぁ、コンビ解消問題についてですが、結論だけ言っておくと試合に負けて勝負に勝った・・・・という感じですかね。そのあたりは是非是非読んでいただきたいなぁと思います。損はしませんよ、ホント。



マンガ大賞の2位に入ったというのは決してブラフではありません。それだけの魅力があります。この作品はまるでダンス映画を見ているような気分になります。盛り上がり、挫折、そして成功。漫画に慣れてない人であっても、きっと楽しい作品だと思います。スポーツ漫画で“自分を下手糞”と言える思える作品って本当にいいものですよ。それだけ全力ってことですから。本当にオススメ〜。




ちょっとした余談。


ダンスを選んでくれてありがとう

4巻のガジュの子供の頃の回想の場面。大会の表彰中、大人に「ダンスを選んでくれて〜」と言われます。これがガジュをダンスに引き込んだ理由になるわけでして。子供ながらにこんなこと言われたら、絶対に絶対にのめり込むじゃないですか。絶対にダンスが楽しくなるじゃないですか。熱のある作品であればあるほど、こういう場面が嬉しくなります。ちょっとした場面ながら、ダンスしたい!という共感を読者に与えてきますよね。ホント大好きだ、この作品・・・。