終わらない大好きの話をしよう「不死身ラヴァーズ・第1話」



オレ、長谷部のことが好きなんだ!全力で!

すごい・・・。すごすぎるぞ、この漫画。
別冊少年マガジン5月号から始まった不死身ラヴァーズ。別マガでこんなにもパワフルな恋愛漫画が読めるとは思ってもいませんでした。ちょっと興奮を隠しきれません。マジですごいです。パワフルというか、濃いというか・・・。設定も相まって物語が濃厚なんです。けど、読みやすい。これからが期待される恋愛漫画だと思います。



じゃあ、これはどんな漫画か?ぶっちゃけて言えば、たった一言で終わります。






主人公の甲野じゅんは、ヒロイン長谷部りのが・・・好き。





たったそれだけ。本当にそれだけの漫画。逆に問いたい。恋愛漫画に“大好き”という感情以外必要だろうか?・・・いや、きっと必要なんでしょうね。色んな障害があって、色んな仲間との出会いがあって、笑って、泣いて。








突然彼女が消えて








そして、再び現れて。
この作品、ヒロインと両想いになるとヒロインが消えます。1話目ながら、このサイクルを何度もやっています。一度消えると、再び登場するまでに数年が経過し、その間ずっと甲野は長谷部を思い続けます。ただし、消えてしまった後は“誰も長谷部を覚えていない”という状況になります。果たして本当に長谷部りのという女性は存在するのか。どうして消えてしまうのか。色々と謎を残したまま話は進みます。唯一変わらないのは甲野の長谷部に対する気持ちだけ。
ボーイミーツガールでありながら、好き同士になったらボーイとガールは唐突なお別れ。また出会っても関係性は最初から。甲野が持つ“不死身の愛”だけが唯一の武器。好きだけど、ずっと好きだけど、どうにもならない。そんな愛おしくて悲しい物語となります。



例えば書道をやってた長谷部のお話

小学生の頃、初めて両想いになった二人は初めての消失経験をします。その後、長谷部が高校の後輩となった状態で再会します。もちろん向こうは甲野のことを知りません。第1話ではこの高校編をじっくりと描いていました。書道をやりたい長谷部と、ちょっと長谷部とは馴染めなかった書道部の面々。そこに甲野の長谷部ラブが加わり、最強の青春物語が描かれます。



なお・・・






また消えます。

おお・・・もう(悲痛)。作者の高木ユーナ先生やるやん!と思うほどに素敵な青春書道ストーリーがそこにはありました。66ページもある中で40ページを使った高校編。書道に青春懸けました。そんな言葉が似合う40ページだったんです。甲野がいかに長谷部が好きか。ちょっとキモいほどに長谷部への愛を語る甲野が面白い。あれ?もしかして甲野って変な奴なんじゃね?と思わせてくれる言葉の数々に驚かされます。作品の濃さは多分このあたりから来ているんだと思います。


理屈抜きで好きなんだよ

例えば。仮に甲野だったとしたら何年も一人の女の子を好きでいられますか?両想いになったら消えてしまうのに好きでいられますか?これってきっと不毛な恋なんじゃなか。そう思って諦めるかもしれません。でも、甲野は好きを決して諦めません。
例えば。仮に長谷部だったとしたら急に「君が好きだ」と言ってくる謎の男のことを好きになれますか?両想いになって消える=ほぼ確実に甲野のことが好きになるわけです。自分を好きだと言ってくれる人間と真っ直ぐに向き合ってるんです。真っ直ぐで真っ直ぐで真っ直ぐな甲野だからこそ、それに堪えられる素敵なヒロインがこの作品にはいます。


物語は大学生活へ―

何度も出会い何度も両想いになれる。きっと二人は本当に結ばれる運命なんでしょうね。・・・変な障害が無ければの話ですけど。小学生の頃の告白の時に「ずっと好きでいてくれる?」と長谷部に問われ、「うん」と答えた甲野。そんな彼には大学生活に突入するまで、ずっと同じ人と運命の出会いを繰り返させられてるわけです。どうか報われてほしい。甲野が純粋だからこそ報われてほしい。そんな恋愛作品となってます。出会いと別れの中には、キスをした途端消えたパターンなんかもあります。失恋のような両想いって・・・もしかしてかなり辛いのでは???
甲野に限って言えばちょっとアレなんですよね。別れはするものの、ずっと好きでいられる自分は幸せ者だな〜と思うタイプです。長谷部がいる間の天にも登るであろう笑顔と、いない間の心臓ぶった斬りされるほどの辛い表情のギャップが・・・ね。とってもいたたまれないわけですけど。




かなりアップダウンの激しいジェットコースターみたいな作品です。一度は読んでもらいたいなぁと思います。めっちゃ面白いです。
ちょっと気になるのは、何で消えるのかという根本のものなんですけども(今更かよ!)。また、消えている間の長谷部はどうしているのか。もしくは、実は甲野が色んな世界を転々としている可能性なんかも出てきそうで楽しみです。全てが夢のお話というのも否定出来ません。それすらもジェットコースターのような展開で読めてしまいそうなのは怖いですが。さすがにこの恋愛物語がいきなりバトルものになったりしない程度にはマトモだとは思いますが・・・。
そうそう。マガラボさんで不死身ラヴァーズ番外編」と、高木ユーナ先生の別作品「ケガ少女A」が読めます。こちらもあわせてどうぞ。番外編の方は、第1話で描ききれてない部分を描いてます。予想以上にパンツでした・・・。
http://magalabo.kodansha.co.jp/


さぁ、早く次のお話を読ませてくれ!!!続きが今から待てないよ!