この1冊で2度おいしい「空手小公子物語・2巻」



空手部をつくろう!!

ヤンマガで最強連載中の「空手小公子物語」。ようやく?2巻が発売しています。前作「空手小公子小日向海流」は全50巻。先はまだまだ長いですねぇ。いや、50巻に行く必要もないですけども・・・。1巻目が1月に出てますが、今後もある程度定期的に出るといいですねぇ。
さて、空手小公子の物語と銘打って始まってますけども、主人公は嶺南高校に通う二人の高校生の物語になっています。一人は小日向最終巻にも出てきた赤心大和流を受け継ぐ大月岳(オオツキタケル)。そしてもう一人は、小日向時代を知る人にはお馴染みのメオ。彼らが空手を通して強くなる、まるで小日向海流のような成長物語を見せて・・・くれるはず??1巻では空手部創設を目指し、これまたお馴染みの梨夏を顧問に迎え・・・空手部を作るために超高校級の巨漢と試合をしています。


速く!

相手は講談空手の若手の中でもかなりの実力者と言われている箕面拓朗。手引きしたのは講談会館和泉館長の愛娘・和泉冬子(生徒会長)。冬子が提案したのは、空手部を作りたければタケルが箕面に勝つこと。但し、グローブ有り、顔面有りというルール。講談は素手の顔面なしルールなのでタケルにとっては有利・・・かと思いきや、体格差がものすごいありまして。軽量級と無差別級くらいの差はあります。
まぁ、そんな中でも梨夏に(多少)鍛えられたことも幸いしてか、五分五分で戦えてます。ちょっと見方を変えると、箕面自身がルールに慣れてないというのも大きかったようですが・・・。勝てれば空手部創設。結果はまぁ・・・読んでもらうとしてですね。いや、試合自体はかなり面白かったです。大きい相手にどう戦うか、そして折れない心を見せつけたタケルがなかなかの結果を出しています。なお、試合には勝ててませんけどね〜。
試合の後、空手部の創設。箕面、冬子も空手部に入部するという流れになります。このあたり冬子の作戦勝ちというか、元々やりたかったんだろうなぁというのが見て取れます。


ここまで話を通して見てみると、小日向海流時代の数年後じゃないか。最初は弱い少年が徐々に強くなる物語って小日向まんまじゃないか。そう思う部分もあるかと思います。しかし、主人公のタケルは“とある特殊能力”を持っているんですよね。意外とこの能力が今後の展開も左右する可能性も・・・?



タケルの能力=相手のイメージが見える

強さに直結しない能力ですが、相手が一体何をイメージして戦おうとしているかが分かるそうです。トラをイメージしているのが見えたり、箕面なんかだと名前の通りミノタウロスだったりしますw この能力は、タケルの父が道場破り?と試合した時に身につけたそうです。その相手は・・・ってカオルじゃねーか!!!
そういえば赤心大和流を復興させようとタケルは頑張っていましたっけ・・・?もしかして・・・というか確実にカオルが何かやらかした感じがありますなぁ。これは後々遺恨が残るかも???





シンサック登場

一方、メオについてもお話が動き出しています。何とメオは絶対王者サーマートの弟らしいですよ!!しかも、シンサックがそれを突き止めた、探していたというのだから尚更驚きです。2巻終盤ではメオに接触しているあたり、怪しいニオイがプンプン丸ですよ。メオもメオですぐに激おこプンプン丸になるので、問題は大きくなっていきそうな予感・・・。
それはそうと、1巻の頃から何故かメオは“タケルを強くしようとしている”んですよねぇ。このあたりも気になっちゃう感じです。



さて、何度も言っていますが、この作品では前作のキャラクターが随所に出てきています。タケルたちが通う嶺南高校では、梨夏や晶子が先生をやっていたりします。和泉館長なんかはまだ寝たきりだったり、和泉館長関連だとミシェールさんが高校空手の大会を開こうとしていたり。懐かしの喫茶店イゼルローンが登場し、いつものマスター、壁には痔持ちと希の写真が飾られていたりもします。もう言い始めるとキリがありませんね。極めつけは・・・



コヒー登場!!

高校の道場が使えないことから“いつもの河川敷”で練習することになった空手部の面々。そこで、なんとコヒーと出会います。このあたりのくだりはとても面白かったですね。とても気になったのは、いつの間にか「空手王子」となっていたこと。しかも、日本の格闘技団体“神威”でエースを張っているそうな。数多くの外国人選手も、流れる水の如くバッタバッタと倒しているようです。いつの間にか成長したなぁ。
また、河川敷ではコヒーの弟弟子?一番弟子?と言いはる長尾孫一くんが登場。彼自体は空手甲子園に出る、タケルのライバルとなりそうってことくらいしか現状特にないんですけど、気になるのはトレーナーがコヒーと同じという部分。そして所属が講談会館だということですね。コヒーのトレーナーというとカオルを思い出してしまいます。仮にタケルと長尾が戦うとしたら、カオルちゃんが絡んでくる可能性もあり得る・・・かな?あわせて、講談に所属している長尾とコヒーが仲良さそうなのが気になるんですよ。もっと言えば、どうして神威にコヒーが出てるのか!?ってことでして・・・。


神威!!

前作の最後で、ミシェールさんを中心に頑張ろうってなっていたと思ったんですけど・・・?いつの間に神威側に寝返ったんだろう。うーん、謎だ。謎といえば・・・武藤さんたちも全く出てきてませんし。小出し小出しに前作と今作の間を繋ぎ始めていてワクワクしています。神威にいることはちょっと謎ですけど、神威という大きめの看板の中でポスターにも使われているあたり、コヒーの強さも確認できていいですな。




ちょっと本題。どうしても「空手小公子物語」という作品を前作目線で見てしまうんですよね。決して悪いことではないはずなんですけど、というかそれを狙ってやってる感もあるんですけど。ただ、前作の色を抜いたタケルたちの物語としても面白く読めることはどうしても言わなければならないと思うんです。何が言いたいかというと、前作を知らなくても楽しめる作りになっているんですよ!!試合描写は言わずもがな。前作キャラも決して今作の流れを邪魔しない登場の仕方しかしていません。どうしても〜という場合には、丁寧に新キャラ(実際には旧キャラ)がどんな人間かを教えてくれてます。そういう意味では、馬場先生は本当にしっかりした作品を描く方だな〜と感心しています。すごいよ馬場先生!
元々読んでた人間は楽しめること間違いなし(←コヒー時代を読んでる人は当然でしょうけどもw)!今から空手小公子物語に入るもよし!その場合は前作にも手を出してくれると嬉しいですね。なんにせよヤンマガ最強漫画はまだまだ面白い!オススメです。