ROCKしちゃっていいですか?「リマスターズ!&Eから弾きな。・1巻」

○リマスターズ!はギャグROCK!



リマスターズ!は全1巻!!

作者のみやざき明日香先生って2010年秋の四季大賞を受賞されているんですよね。そんな四季大賞作家が描くROCKがROCKでROCKな漫画「リマスターズ!」アフタヌーンで連載していました(1巻で終了してます)。帯文で紹介している通り、“偏差値40ぐらい。”の作品であり、“ボケもツッコミもない投げっぱなしバンド・ギャグ”がピッタリな作品になっています。
ボーカルのひばり。ベースのシロ。ギターの暴威。ドラムのツバキ。この4人が奏でるギャグと時々音楽!誰もまとめようとしないし、まともな人がいない。暴走しっぱなしのノンストップROCKです。


ロック、ロック、ロック、ロック、ロック

ボーカルのひばりは理想だけ高い女の子。とりあえず売れることが目的ですが、方法が見合っていない気がします。女子高生のうちにバンドで売れる、ドームツアーもやってしまう、バンドを解散後にタレントになったりママドルになるところまで予定しています。グループのリーダー的存在であり、曲作りもできる程度の能力は有しています。ただ、欲望が駄々漏れすぎて・・・色々とダメですw
ベースのシロは職人気質でしょうか。ベースの代わりに刀を持たせたら、あっという前に侍になりそうな気がします。非常にクール。それと、シロとリズム隊を組むドラムのツバキは・・・よく分かりません。かろうじてまともな部類なのではないか?と思う時もあるんですが、真面目をこじらせすぎている気がします。実は生徒会長らしいんですが・・・。真っ直ぐすぎてダメ・・・ですねぇw
そして、一番の問題児であろうギターの暴威。読み方はボウイ。とにかくロックに拘り、ロックで会話が、ロックという単語で会話ができてしまうキャラです。大いにロックをこじらせた人。顔はそこそこに良く人気はあるんですけど、対人恐怖症という弱点を持っています。それでも、持ち前のロックで何とか立ち上がります。俺の記憶が確かなら、パンダのきぐるみを着てた気がする。


冒険は始まったばかり

えっ、始まってたの・・・!?
基本はひばりが話を進めつつ、他の3人が勝手に突っ走って終わる。誰もツッコミを入れようとしないのが逆に清々しい気もします。性格がビックリするほどバラバラなんですえよねぇ。でも、喧嘩らしい喧嘩は無いように思います。・・・全員が他人に興味ないからね!!4人を繋ぐのは音楽。バッラバラでも音楽を奏でればとりあえず満足。それでいいのかは不明(←
別にバンド漫画じゃなくてもいいんじゃない?と思いつつ、ROCKであることがとても重要なんですよ。メンバー集めに始まり、学園祭、ライバルが出てきたりとなかなか濃い内容です・・・が、内容は暴風雨のように過ぎ去っていくので、帯文で書かれていたとおり、なんかモヤっとしたら読むとちょうどいいかもしれません。彼らを見ていたら絶対に明るくなれます。それは保証します。何度も注意しておきますが、本気のバンド漫画だと思って読むと肩透かしを喰らいます。
こう言ってはなんですが、俺の記憶では四季大賞の受賞作も似たようなことになっていた気がします。次回作ももしかすると・・・?





○Eから弾きな。は素人ROCK!



ギター初心者いらっしゃい

リマスターズ!がアフタ連載。「Eから弾きな。」はイブニング連載のバンド漫画です。これまでバンド漫画は何度か見てきましたけど、本当にイチから説明している作品はそうそうないですよね。まぁ、初心者講座はギターのみですが、それでも音楽を全く知らない人間からすれば新鮮な話が盛り沢山です。


これが不幸の始まり?

ボーイミーツガール・・・と言っていいのでしょうか。正直に言えば、ボーイがガールに拉致られている作品です・・・。新しい仕事を見つけた三蔵とその仕事先の社長の娘・フミ。三蔵の履歴書にギターという項目をフミが見つけ(実際には会社を泥棒のように荒らして探した)、三蔵を自分のバンドに入れようとしたところから始まります。ええ・・・、フミは結構無茶苦茶をする女の子です。


コードは難しい><

タイトルにもある「Eから弾きな」というのは、横暴なフミによる“いいからやれよ”という言葉&三蔵の弱さと、ギターの基本でもある“Eコードから始めよう”という意味を表しています。そういえばBECKコユキも最初は苦労していたなぁ、そういやデスペラードも初期は大変だったよなぁと思い出すわけですが、確かにEから〜の作中でも紹介されているギターの指の動きをやってみたところ・・・本当に大変なんですね。よくプロの方々はあんなに指を細かく動かせるもんだ・・・。尊敬します。俺はエアギターで十分です(←
フミが活動する吹流(ふきながし)というバンド。ベースのフミがボーカルも務めつつ、ちょっと変わり者のドラム、そして三蔵がやることになったギターの3人で演奏します。ギターが事情もあり脱退し、三蔵に白羽の矢が立つわけですけど、どうも時間が無いらしく、フミの家で一緒に暮らしながらギターを習う日々が続きます。いやもう、言葉の通り一緒に暮らしてます。ただ、三蔵も仕事があるため、寝る間を惜しんでは練習に励む・・・もとい励まされます。なんせフミの機嫌を損ねたら会社をクビですからね(実際にクビなのかは不明ですが脅されてはいる)。


400人は入るステージに1ヶ月で立て!

ギターが抜けた穴を三蔵が埋める。・・・ここまでは理解できるのですが、実はライブまで1ヶ月しかないこと、さらに超素人の三蔵に大人数の前で演奏させようとしていました。いや〜、無理でしょう・・・。あはは。
自分の仕事をしながら、演奏の練習をしなければいけない。大観衆の前に立つためにたった1ヶ月で弾けるようにならなければいけない。失敗すればバンドは解散、そして素人だということもバレてはいけない。三蔵は不幸の星の下にでも生まれたんでしょうかね。リマスターズ!ですら音楽が好きでバンドをやっていたのに、三蔵に至っては完全に無理矢理でしたからね。これから好きになるという可能性はありますが、かなり冒険してます。・・・でも、面白いんだなあこれが。
素人ながらも必死に頑張る三蔵にはとても好感が持てます。地味に上手くいきそうな雰囲気もGOOD。読者のほとんどがそうであろうギター初心者、バンド初心者目線で楽しめるというのがとても面白いと思います。もちろん俺も素人ですw だからこそ三蔵目線から見るバンドというのは非常に面白いです。ギターができる人たちからすれば、昔懐かしいという気分になれるんでしょうかね?



バンド漫画の名作でもあるBECKでは、音楽を大切にして描いていたように思います。一方、Eから〜という作品はバンドを作ることを最大の主体に置いています。もちろんBECKもバンドがまとまるという点を大切に描いていますけどね。イチからのバンド作り、ギタリストの養成という点をより多めに描いています。あと、裏を返すと、人間本気になれば何とかなるんじゃね?ということを示している気がしないでもない。皆さんの前にフミが現れたらやらされるかもしれませんよww
リマスターズ!は1巻で終了しましたが、こちらは2巻以降も続く予定です。吹流のライブは成功するのか。1巻ラストで言及された前のギタリストはどんな人間か。あと、三蔵は生きてライブを乗り越えられるか。とても楽しみです。2巻以降も期待&オススメ!