南波六太は奇跡を起こせるか?「宇宙兄弟・203話」

モーニングは面白い。端的に言えば“読めば元気になる!”雑誌ですね。お気に入りを挙げればキリはないんですけど、ここ最近だとジャイキリあたりは椿の代表編がかなり熱かったです。グラゼニ日本シリーズでのお話で楽しませてもらいました。先週最近始まった「ミリオンジョーはちょっと注目の作品です。



ミリオンジョー

作品と同じ名前の『ミリオンジョー』という漫画を巡るお話。というか漫画家漫画です。このミリオンジョーは日本中を熱狂させるほどの漫画であり、単行本は500万部が初版で刷られるレベル。日常で話題にされない日はなく、散りばめられた伏線の数々に読者の多くが驚かされているそうな。何ピースだろう?と思いつつ、第1話では・・・なんと作者の真加田先生が死亡。心臓が痛い痛いと言っていた先生の言葉を信じきっていなかった編集の呉井、チーフアシの寺師だけが残された仕事部屋・・・。
漫画家さんを殺すという展開にいきなり度肝を抜かれるわけですよ。しかも、2話目では予想通り(?)の死亡隠しを画策する呉井と寺師。まさかとは思いますが、このままミリオンジョーという作品を二人で続けようとしたりして。いや〜、難しすぎるでしょ!!日本中を打ち震えさせる作品の代わりをできますか??でも、そうしないと死んだことがバレてしまいますし・・・。なかなか先が楽しみな作品です。




さて、初版500万部とはいきませんが、アニメも絶好調な宇宙兄弟も当然のことながら大人気作品であり、モーニング誌上でも大人気の作品です。今週号の203話にとても、とても、感動させられました。サブタイトルは“「南波六太」という人”。当たり前ですが、ブロッコリーもカリフラワーも関係ありませんよ。



ボルツという人たち

で、いきなりですけど、俺は“ボルツ”というグループが大嫌いです。NASAを追い出されたヒビトに対して逃げたという一言。ムッタが所属する“ジョーカーズ”がやるはずだった月面天文台のアサインを奪う(これ自体はボルツが悪いわけではない。)。そして、今週でも描かれていたように嬉々としてISS廃止の署名を集めています。
この作品が本当に宇宙を目指す人達を描いたものかは分かりません。ただ、個々の目標を持って宇宙を目指す人たちの夢が詰まった作品であることは確実です。そんな中で“宇宙=夢”という舞台をこんなにも簡単に踏みにじれるものなのかとボルツを見て感じるわけで・・・。もちろんボルツの面々のような考え方もあるんでしょうけど、何というか・・・作品上似つかわしくないタイプですよ。




ISSが夢のせりかさん

主人公のムッタはせりかさんのことが好きです。反対方向は分かりませんけどね。何と言うか、身近にいる可愛い人だからって理由だけで好きなんじゃないの?と思うこともしばしばですけども。以前、ISSミッションのサブクルーにムッタが選ばれた時、ムッタはせりかさんに替えてくれと頼み込んでいます。せりかさんが好きだというのもありますが、それ以上にせりかさんがどれだけISSに参加したいかを知っているからこその行動でした。
でまぁ、先のボルツがそんなISS廃止の署名を集めることになってるわけです。しかもボルツが言うには、ジョーカーズもISS廃止の署名を集めているとのこと。そんなこんなで、ムッタに対して疑心暗鬼モードのせりかさん。


二人は、日本で一緒に宇宙を目指し、JAXAからNASAへと舞台を移した今でも夢を応援し続ける仲間です。・・・というわけで、今週はせりかさんがほぼ初の(?)ムッタについて考えるという行動を起こしています。




「南波六太」という人がどういう人か考えてみた―




「南波六太」とは・・・
たまにわけもなく叫んだりする人
結構恥ずかしい台詞も堂々と言えちゃう勇気ある人
(せりかさんの)父と同じ事をした人
空にバルタン星人を描いて見せてくれた人
変わってるけどユーモアのある人






そして、











「南波六太」は自分の人生をISSに懸けていることを解ってくれている人
・・・自分がどんな人間かを分かっていてもらえるって嬉しいですよね。たまに叫ぶとか、空のバルタン星人というあたりは、全くの見当違いなんですけど、一番大切な部分は理解してもらえてた。これって本当に素晴らしいことだと思います。このブログも個々の作品の最も大切なところを分かってあげられる作品でありたいものです。


・・・。


閑話休題南波六太は自分の夢と他人の夢を本当に大切にしてくれる男です。だからこそ、数々の奇跡を引き起こしてきてたんだろうと思います。そんな南波六太がISS廃止の署名を集めている???そんなバカな話があるわけない。でも、そんな噂が出ている。ムッタに対して疑心暗鬼になっているせりかさんの胸中は・・・。








ISSは俺らで守ろう

ところがどっこい、ムッタはISS存続の署名を集めていました(涙声)。
分かっていた。分かってはいたんです。ムッタがせりかさんを、せりかさんの夢を裏切るわけがありません。当然のことだと思いつつ、ムッタが南波六太であったことに胸が熱くなります。実を言うと、この行動が決してムッタたちに良い影響を与えることはありません。少なくとも上層部の命令を無視していますからね。でも、夢を諦めさせることを選ばなかった。それが南波六太という人。



せりかさんの表情

本当は疑っていたせりかさん。いや、半分半分だったかもしれませんね。こっそりとムッタがISS廃止を望んでいるのか聞き耳を立てて、ムッタの本心を聞かされます。“ISSに全てを懸けている人をいつも見ている”から、ISSのために行動を起こしたと言うムッタ。
この203話目。せりかさんの表情がとても印象に残る内容となっています。ムッタを信じていいのかどうか迷う表情。ボルツにムッタもISS廃止署名を集めていると言われ、実際に何かの署名を集めていることが発覚した時の冷めていくような表情。でも、実はISSを守ろうとしているのだと知り、色んな感情がグチャ混ぜになった表情。嬉しい、安堵、信じられなかった自分への戒め。最後のせりかさんはどんな感情を持ったでしょう。この時のせりかさんがとても好きです。あと、きっとムッタの好感度はうなぎのぼりでしょうなぁ・・・。


さぁ、本当にムッタはISSを守れるんでしょうか。



ムッタ(Mutta)のMはMiracle(奇跡)のM。・・・きっと何とかやってくれそうな気がします。南波六太はそういう人です。