今更ながら四季賞って・・・「四季賞2012冬」



四季賞2012冬

昨年12月末のアフタに付いてきた四季賞2012秋。そして2月末のアフタに付いてきた四季賞2012冬。何でこんなに間隔が短いんだろう・・・。そんなことを思いつつ過去数年を調べたところ、どうやら2012秋の12月というのが珍しかった模様。そのせいか今回の四季賞は割と早く感じました。いや、実際にはいつも通りだったんですけどね。やはり3ヶ月に1度のお楽しみというのがちょうどいいですよ。
それにしても・・・四季賞って四季感が全くないですよね〜。まぁ、今更言うな!って話ではありますが・・・。4月号(発売は2月):冬、7月号(発売は5月):春、10月号(発売は8月):夏、1月号(発売は11月):秋という感じです。発売号と発売時期と春夏秋冬の名前が入り乱れていて四季感がありませんなぁ。あれですかね?ポータブルが出る時期ではなく、審査時期が〜ってことなんですかね。






○四季大賞
四季大賞は山田胡瓜先生の「勉強ロック」が受賞



勉強でロックしたい

勉強がすこぶる得意な少女・長澤司。数学だけが苦手な少年・郷田登。そんな二人の出会いと、受験までを描いた作品。司は推薦で大学行きが決まっており、登は多少無謀ながらも最高峰の大学を目指しています。なお、司にはバンドマンの彼氏(作中、元カレ)がおり、司自身もベースを弾くなどかなり多才な女の子だったり。登はまぁ・・・変に熱い男ですな。決して胸が締め付けられるような甘酸っぱい青春ものとまではいきませんが、司が登に勉強を教えながら認め合っていく雰囲気がとても良い作品でした。何故か頭突きしてましたけど・・・。
ネームができてから完成まで6年かかっているそうな。えっ、そんな時間かかるの?というのが本音。さすがに漫画家さんの苦労は分かりませんが、6年ですか・・・。諦めなかっただけ素晴らしいとも取れますけどもw
絵については、これからどんどん伸びるのかなぁという印象でした。アフタでやるなら尚更だと思います。というか、そういう先生方がこれまでたっくさんいましたから、そんな例を思い返しつつ今後に期待してます。まずはグフタ読み切りあたりに来るのかな〜。





四季賞
四季賞は土橋田アキラ先生の「ステ公のはじまりの旅」が受賞



ステ公とは

身なりや性格、粗暴の悪さから周囲に疎まれる人物が主人公。小さい頃、ミゲルという男性に拾われ保護されますが、ミゲルのナイフを持ち逃げします。そして、そのナイフをちらつかせながら悪いことばかりしながら成長していきます。そんな日々を過ごしていたある日、ボロボロになったミゲルを見つけ彼の死を看取ります。ミゲルは最愛の女性マリサと会いたかったと言いながら死んでいき、主人公はそのマリサを探す旅に出ます。無事?マリサを見つけ、主人公は新しい生き方を見つけていくのかな〜というお話。
読んでて、途中まで主人公は男だと思ってたんです。ステ公なんてタイトル、身なり等々。股から血が出てきた時はミゲルと同じ病気なのかも?というミスリードもあったり。最後の最後でマリサから生理だと言われ、騙された!的な感情が出てきましたw 主人公は女性でした・・・。これが一番の驚き。
で、何と言うか、とてもパワフルな作品でした。さすがに絵柄は好き嫌いが出るかもしれませんが、逆に勢いが伝わってきました。兎にも角にもパワフルな作品だったと思います。今後、どういった作品を描いていくのかとても楽しみです。




○特別賞
特別賞は譲先生の「金奪撫子」が受賞



あきらとまこと

男性のような女性のまこと、女性のような男性のあきら。この二人の女子プロレスラー(?)のお話です。タイトルマッチに勝ち、ベルトを巻けるかと思いきや、当然のことながらあきらが原因でベルト返還の憂き目にあいます。それもそのはず。あきらは女子プロというには規格外(本当の意味で)ですからね・・・。同期で入団し、辛いことも、嬉しいことも一緒に経験してきたあきらとまこと。途中で喧嘩もしますが、最後まで何度も何度も立ち上がっていきます。
作中、あきらがトロフィーを盗み出し、お金に換えます。その後、そのお金で自身の金も取り外すという流れはとても面白かったです。そして、この作品が今回の3作品の中で個人的に好みでした。
編集さんコメントで、最初は読みづらい作品だったけどそれを無理矢理〜という表現があったんです。確かに変なひっかかりがあるなぁと思って読んだんですけど、編集さんが言われていた通り強引に振り回してホームランにしたような作品になっててニンマリとさせてもらいました。面白かったです。








さて、次回でポータブル30冊目です。年に4回出しているので、ポータブル化して相当数の作品が世に出されているのが分かります。今でも全ての四季賞ポータブルは大切に取ってありますよ。最近は電子化の波が押し寄せていますけど、個人的には紙として出してくれてありがとうございますという気持ちです。もしかすると、数年内にwebでの発表になったりするのかなぁと思ってみたりもしますが・・・。どちらにしろ素敵な新人さんが続々と排出されるなので、四季賞が終わらない限り楽しみ続けたいものです。次回も楽しみですねぇ。