Q.E.D.が単行本の半分を描き下ろししてる件「C.M.B.&Q.E.D.」




C.M.B. 森羅博物館の事件目録


正解が一つしかない勉強をする理由は、自分が間違えることを知るためにやるんだよ

月刊少年マガジンで連載中のC.M.B. 森羅博物館の事件目録。雑誌の時にも痺れたのですが、改めて読むといい言葉です。QEDは学園っぽさが強めですが、CMBではそれほど学園らしさってそれほど多くないなぁと思うんです。いつも外に出かけてますし。もちろん学生なので少なくはないですけどね。まぁ、そんなわけで主人公の森羅の言葉が珍しいなと感じてしまいました。燈馬に比べて感情が強い分、より突き刺さりました。いいですね〜。
作者の加藤先生はこういった台詞を作るのがとても上手いですよね。感情論というよりも、しっかりとした正論を語った上で犯人に語りかけています。あの「一番売れてるもの(ハンバーガー、コーラ)が一番美味いんだろ」からもよく分かります。後述しますが、加藤先生は本当にすごい人だと思います。


22巻のメインはダーウィン!!

22巻では、先の発言があった学校での事件、唯一の殺人があった骨董品店での事件、ダーウィンを絡めたガラパゴス諸島での事件の3本立て。メインは前後編となったダーウィン話ですかね。
ガラパゴスというと最近だと携帯電話がすぐ思いついてしまうわけですが。本当はガラパゴス諸島のことなんですけど、ガラケーガラケー言ってる人って分かって使ってるんですよねっ?ねっ?というわけで、森羅たちはガラパゴス諸島へと向かっています。理由は自然保護と利権の問題解決のため。ガラパゴス諸島ってテレビなどで見るイメージだと、本当に未開の地みたいなものなんだろうなぁと思ってたんですけど、色々と複雑なようで・・・。
ガラパゴス諸島って行くだけでも大変そうですよねぇ。話の展開上普通に行ってますけど(何故か立樹まで)、さすがはCMBの指輪持ちなだけありますな。お話としては地元民の密漁と自然保護団体の揉め事となっています。自然保護団体の女性が崖から密漁男性を突き落とした〜というもの。発見時点では保護団体の女性が突き落とすことは無理そうでしたが・・・。
お話の中では、ダーウィンの(空想上の)物語も進行し、自然とはどういうものかという説明も入ります。CMBはわりと遺跡話が多いためか、今回の別筋でのダーウィン物語のように、“架空の物語も並行して描くような展開”をよく見かけます。その物語が本当にあったかはさて置いて、結構分かりやすいです。なお、ダーウィン物語ではダーウィンと仲の良かった船員が死にます。船長はピューマに殺されたと言い、ダーウィンは他の船員によって殺されたと言います。しかし、実はピューマは・・・という展開です。
本筋の方、森羅の物語では、ガラパゴス諸島の自然の豊かさを描きつつ、突き落とし事件の真実へと近付いていきます。こちらは意外とあっさりだったかも?まぁ、CMBは推理モノと見せかけて、人間力を向上させる作品なので・・・(←勝手な解釈です



Q.E.D. 証明終了



クイーン登場!

こちらはイーノから月刊少年マガジン+へと場所を移している「Q.E.D. 証明終了」です。CMBの2倍巻数の44巻目です。月マガでの22巻も長期連載だなぁと思わされるんですけど、こちらは44巻ですよ。実は15年作品なんですよね〜。俺の人生の半分がQEDです。
さて、それだけ長期連載になってくると、人気のサブキャラもたくさん出てくるわけでして。前はアランとか人気・・・だったのかな?今だと探偵同好会の面々がサブキャラだと人気でしょうかねぇ。俺はクイーンが好きです。アホですが、筋の通った性格はいいなと思います。なお、44巻ではいきなり警察に間違い出動させた模様(酔っぱらいと死体を間違えた)。警察を困らせておきながら、大事件を防ぐためには自分たちのような鋭い推理力を持った人間が犠牲になることも必要だとのこと。まともに解決したことないですやん・・・。
最近では名物キャラになってきているので、たまの登場が楽しみです。



Question!

そして、こちらが驚き回。QEDの最大の特徴でもある数学話がふんだんに盛り込まれています。謎の招待状をもらった燈馬くんたちがお出かけし、不思議な謎解きをしていきます。何がスゴイって、単行本の半分であるこの1話をまるまる描き下ろしでやっています。実際にはイーノが月マガ+になってからは1話描き下ろしをやっています。
当然といえば当然の事象でして、月マガのCMBは4ヶ月で1冊。これにあわせての刊行としているため、4ヶ月に1度しか出ない月マガ+で連載しているQEDは描き下ろしが発生します。何とまぁ勿体無いことか・・・。もちろんファンとしては嬉しいんですけど、本来雑誌で発生する原稿料が出ていない可能性がありますし。何より機会損失が発生しているので。どうにかならないものかと思ってみたり。加藤先生がOKを出しているのなら特に文句はないですけども。何にせよ、2話で一冊を作るQEDにとって一本描き下ろしは相当スゴイと思います。


数論とは

内容は理系さんホイホイな読み切りになってます。メインテーマはフェルマーの大定理。既に証明されてしまいましたが、何百年も謎とされてきたテーマですね。このフェルマーの大定理を含め、数論というのはパッと見では簡単そうでも実は難しいものでして。それを可奈ちゃんは“パッと見弱そうな人につっかかるとボコボコにされる感じ”と表現しています。・・・なんて分かりやすいwww
理系人間なので楽しく読ませてもらいましたけど、文系人間の方でも分かりやすい説明で作品が描かれている・・・はず。逆に文系読者さんに感想を聞いてみたいですね。フェルマーの内容から解き方、ゴールドバッハ予想ABC予想合同式のmodあたりは高校の理系でも出てきますねぇ。いや、もちろん自分も全部知ってるわけではないので、へぇ〜的に楽しむ程度ですが、理系話があるだけでワクワクはします。


せっかくの読み切りなので当然ネタバレをする気はありませんが、可奈の胸が成長していたことが一番の収穫です(←