変態紳士と殺戮少女の悲しき愛の物語「無重力コミュニケイション・３巻」
大虐殺の世界最強少女（表紙の子ではありません）
「無重力コミュニケイション」が３巻目です。昨年開始の作品では唯一ですね。現在の別マガの陣容が創刊時作品＋２０１２年作品で占められていることを考えると、２０１２年作品群の旗振り役と言ってもいいかもしれませんぬ。まぁ、大柴先生の実績、作品の質を考えても妥当なところでしょうか。それにしても、白を基調とした表紙っていいですよね〜。割と少ないので目を引きます。タイトル通り、無重力状態な女の子たちが非常にCOOLだと思います（←COOLって言ってみたかっただけ）。主人公の龍太が表紙に出てくることは・・・なさそうですけどね。
ヒロインみよちゃんは最強の超能力者
超能力が当たり前の世界。ヒロインのみよちゃんは、そんな世界にあって最強と目されるレベルの超能力者（サイキック）。ミ○ターサタンから言わせれば“トリック”と言われても仕方のないレベルでスゴイです。スプーンを曲げるとか物を浮き上がらせるとかのレベルではありません。木っ端微塵にしてしまうレベルです。そう、彼女は世界最強の超能力者。
そんな彼女が属することになったSPS。正式名称は忘れてしまいましたが（←調べるつもりない）、とにかく超能力者による警備隊のようなものです。所属するメンバー全てが何かしらの能力持ち。女の子が多いのは大柴先生の好みだと思います。そんなSPSのメンバーは自治的な活動がメイン・・・ですが、実はとんでもないお仕事が待っていました。
サイキック殺し
これがSPSが存在する最大の目的であり、主人公の龍太とみよちゃんの仲を複雑にする原因です。
守ってみせる。
何故ヒロインが人殺しをするのか。そして、龍太はそれを止め切れないのか。まぁ、そのあたりは読んでもらうのが一番いいと思います。優しい二人というのがミソでしょう。純愛ゆえの・・・ってところですかね。とても素敵な設定だと思います。その分、残酷ですけどね・・・。
しかしまぁ、SPSってのはとんでもない組織です。思想は間違ってないと思うんですけど、やりきれないものがあります。そもそも超能力者という存在は普通の人間では出し得ない力を出すわけです。仮にみよちゃんが本気を出せば街なんてぶっ飛ぶでしょうし。もちろんみよちゃんはそんなことをしません。良心がありますからね。しかし、良心がない超能力者がいたら？でまぁ、そんな超能力者を取り締まるためにSPSは存在しますし、超能力者をぶっ殺します。・・・ぶっ殺します。
超能力者数人で数多くの普通の人達が殺される。それなら不穏分子たる超能力者を狩ったほうが早いという思想です。分かる。気持ちは分かるんですが、例えば自分の好きな子がそんな仕事に手を染めていたとしたら？自分の子供が人殺しの手伝いをしていたら？色々と考えさせられます。理念は分かるんですが・・・。
逆転の一手！
で、龍太がみよちゃんを止める術がないのか？といえば、実は存在しててですね・・・。なんと龍太はテレポーターの才能を開花させます。行きたい場所に自由に行ける。それは逆転の一手。
この力があれば、みよちゃんを止めることができる。
この力があれば、みよちゃんを救い出すことができる。
・・・・この力があれば、
みよちゃんの家に忍びこめるぅぅぅぅ！
・・・って、おい！！！
その力はそんなことに使う能力じゃないでしょ＞□＜ みよちゃんを助けるための、みよちゃんのための力・・・だし、会いに行くくらい別にいいか（←
まぁ、本当は相手を出し抜くことも、逃げ切ることも可能なかなりスペシャルな能力の持ち主となった龍太。彼ならもしかすればみよちゃんを縛る現況を止めることが可能となるかもしれません。ただ、どうして龍太がそんな能力に目覚めたのか、もとい能力の持ち主となり得たのか。また、みよちゃん＋みよちゃんの姉を巡る過去もちょっと気になる３巻でした。何にせよスゴイことやで。ごいすーです、ごいすー。今まではみよちゃんを守ることが出来ないただの少年。それが多分世界でも彼一人であろう能力を手に入れて、立ち向かうことが可能となった。龍太は今・・・みよちゃんにとってのヒーローになった。話が動き始めちゃいますね・・・。
いい匂いがする
・・・って、おい！！！（２回目）
あんた・・・ただの変態紳士やん。
うーん、やっぱりテレポート能力っていいですよね。憧れの超能力トップ３に入るんじゃないですか？今の龍太なら透明化能力も欲しがるかもしれませんけど。俺も欲しいし（←
何だかんだで素敵な純愛ものだなぁと思う部分もあり、何故か乳首も描かれたり（重要）、というかいちいちエロいなぁと思うところもあったり。あと、大柴先生は１話内での展開の作り方が上手いです。別マガ若手さんの中ではピカイチではないでしょうか？このあたりは以前の連載の経験も活きているのかもしれませんが・・・。最初は何とも思わないんですが、数回読み込むと、“ここにこの展開、回想が入るのは分かりやすい。面白い。”などとよく思います。あと、これは全く関係ないんですけど、新世界よりの過去の話みたいだなぁとか思ってみたり。まぁ、そうならないように皆頑張ってるんですけどね〜。
さて、次巻もどうなることやら。非常に楽しみです。オススメ〜。
