成長した少年たちと成長しない胸「空手小公子物語・1巻」



青春格闘ロード

近年における空手格闘漫画の最高峰「空手小公子 小日向海流」の終了からほぼ間髪入れずに始まった「空手小公子物語」。世界観はそのままに、小日向物語の数年後を描きながら、現在ヤンマガで連載中です。
前作のメンバーもチラホラ見かけることもできますが、ほぼ新規の物語を始めています。もちろんタイトル通り新たな空手小公子たちが頑張っているご様子。小日向のお話が50巻という長期連載だったこともありますが、そちらを読んでいなくても、ご新規さんとして楽しめるかと思います。残念ながらまだまだ成長途中の少年たちを描いているので、小日向時代に熱くさせられた“覚悟”や“技”を1巻の時点では見ることはできません。まぁ、そのあたりはこれからということでしょうね。先がとても楽しみです。


主人公2人組

主人公は大月岳、清水ウィチットの二人。ウィチット君・・・というか、前作読者からすれば通称の“メオ”という名前が馴染みありすぎですよね〜。あの小さなマジギレムエタイファイターのメオです。あのメオが成長して、新たな物語の主人公として登場しています。一方の大月岳の方も、実は小日向時代に出てきていました。こちらは最終巻での噛ませ犬役でしたが主人公へと格上げ!!・・・出世したものです。
どちらかと言えば、岳の方がメインの物語になっていますかね。メオだとムエタイがありますから・・・。岳の父親がやっていた空手・赤心大和流を再興するため、空手道を極めるべく奔走中。そういう意味でも、空手小公子(=岳)の物語ということでしょうか。


今更メオの強さを語るのもなぁと思います。なんせ小日向を強くさせた師匠の一人ですしね。じゃあ岳は強いのか?といえば、どうもメオには連戦連敗のご様子。ただ、ちょっと不思議な能力を持っているようです。





岳の能力=相手が“なりきっている”ものが見える

虎になれ!というのはタイガーマスクだったでしょうか。戦おうとする人間は誰でも何かに“なりきろう”とするものです(←戦ったことが無いので分かりませんが)。その“なりきった”想像が岳には見えるようです。動物かもしれませんし、知っている選手かも、はたまたヒーローになりきってるのかもしれません。岳が1巻で対戦した相手はサーマート・シリントゥになりきって・・・って、サーマートじゃないですか!!
おおっ・・・、あのサーマートが出てきてますよ。もちろん選手としてではないですが、ワクワクさせられますよね。なお、作中のサーマートの説明では「伝説のムエタイ9冠王」となっています。最初は7冠だったような記憶がありますが、数年後ですしね。色々と変わっているのかもしれません。それよりも「伝説の」というのが気になります。これだと・・・既に引退している???


空手王子

・・・と思って読んでいくと、前作から変わっている点が多々見受けられます。一番の驚きは小日向が「空手王子」と呼ばれている点でしょうか。小公子から王子へ。成長してるんだなぁ〜。
他にも和泉のオッサンがまだ寝たきり状態だったり、その愛娘が生徒会長として登場したり。色々と変わっているようです。実際問題、小日向時代では色々と解決していない問題が多々ありましたから。それらがどう解決されているのかも、前作読者にとっては見所でしょうね。いやでも、和泉館長はまだ回復してないんか・・・。仮に先のサーマートが引退しているとして、伊吹さんは戦ったのかも気になります。あ、シンサックとかどうしたかなぁ。


前作の思い出と一緒に読むと、キャラの成長と共に前作で蒔かれた種がどうなったのか気になります。








梨夏再び

まるで成長していない(胸が)
おおっ、リカちゃんも登場ですよ!胸は成長していませんが・・・。ちなみに学校の先生として登場しています。他にも晶子ちゃんも先生の一人として登場。こちらははち切れんばかりの胸を披露しています。小日向終盤では乳首を解禁しているので、小公子物語でも出てきてくれればいいのに・・・。







怪物ミノタウロと勝負・・・

1巻ではさすがにこれまでのお話を踏まえた新旧の説明に終始していた印象があります。ただ少しお話は動いていまして、先述した和泉館長の娘さんが生徒会長権限を利用し、お付のミノタウロと岳を試合させています。結果については次巻以降ということになります・・・が、コイツほぼ犬童貞男じゃね?というくらい凶暴な気がしますけど・・・。
岳が見たイメージはまさにミノタウロス。貧弱(?)な岳で勝てるんでしょうか。というか、ミノタウロ君は高校生なんだろうか・・・。




馬場康誌先生が小日向で培った実力をそのままに、新しく物語を描いています。はっきり言って期待しかしていません。むしろ、期待以上のものを描いてもらいたい気持ちでいっぱいです。まぁ、主人公の岳もまだまだなところはありますけど、小日向を育てきった実績がありますからね。いい先生、師匠に出会って、よい成長をしてほしいです。希望を言えば武藤さんか南さんあたりがいいなぁ。
あと、何度も書いてますけど、前作の設定・流れがどうなっているのかはとても気になります。誰がトップなのか、大会とか開かれてるのか。あ、鏑木流や講壇会館を仕切ってる人も気になります。徐々に前作の内容と溶け合っていくといいですねぇ。色々と先が楽しみです!!




馬場先生がいないとヤンマガって感じがしない・・・。頑張ってほしいですよ、ホント。