将来の夢を見つけるきっかけ「探偵犬シャードック&Dr.デュオ」



探偵犬シャードック・5巻

徐々にではありますが、「探偵犬シャードック」という作品も週マガの中である程度の地位を築いたように思います。新作レベルとしての作品ではなく、これから中堅クラスとして頑張ってもらいたいものです。まぁ、作品として5巻まで来ているからこその話ですけど、そもそも原作が安童夕馬先生、作画が佐藤友生先生という時点で面白く無い訳がないんですよねぇ。樹林先生と言えばいいのか、天樹先生と言えばいいのか分かりませんが、安童先生は週マガミステリーのスペシャリストです。佐藤先生に至っては、キレイな女性を描かせれば傑出してますし、妖怪や幽霊といった人で在らざるものによる死に人描写は秀逸。つまりは最強ってことです。


美人すぎる女市長の犯行

5巻にはトータルで7件目と8件目の事件が収録されています。7件目は美人市長が起こした事件の解決編。8件目は有名ニュースキャスターが起こした事件の前段まで。この作品の特徴は、やはり犯人が分かっているという点でしょうね。金田一のようなトリックを見破りながら犯人を見つけるのではなく、犯人の裏表を描きながら主人公たちが追い詰める部分が非常に面白い。似たような作品としては、ドラマになりますが古畑任三郎みたいですね。あと、この作品に出てくる女性犯人があまりにも黒くて・・・怖い。尋常じゃなく怖い。
もう1つ特徴的なのは、やはり“シャードック”という相棒の存在でしょう。高校生(5巻で就職しますが)の輪島尊とその相棒のシャードック。シャードックは名前の通り、かのシャーロック・ホームズの魂が犬に乗り移った姿になっています。シャードックの声が聞けるのは尊だけ。周囲にはワンワンとしか聞こえない音も、尊にはシャードックの推理として聞くことができます。犬だからこそ分かる部分もあるため、なかなか設定としは面白いものになっています。


オレ、刑事目指すよ

最初は戸惑っていた尊でしたが、シャードックと一緒に事件を解決することを通し、自分の将来を決めます。家族に警察関係者がいるというのも大きいですが、それ以上にシャードックがいたからこそ選んだ職業です。





一方・・・・






Dr.デュオ・2巻

「Dr.デュオ」は医療漫画になります。近年の新連載の中では非常に頑張っている作品だと思います。まぁ、何にせよテーマが“素人医療”なのがちょっと凄いと思うわけで・・・。
先のシャードックに近いと思う点がいくつかあって、人ではない相棒がいるという部分が非常に似ています。もちろん邪魔な存在ではなく、主人公を導いてくれる存在であり、二人で多くの手術に臨みます。


本当は素人です

死んでしまった天才外科医・東雲圭祐(シノノメケイスケ)が幽霊になりながら琴音介(コトネタスク)に熱血指導・・・してるかな?もちろんタスクはただの一般人。ちょっとプラモデルの作成等が得意、手先が器用な男の子ってだけです。一方、幽霊になってしまった東雲の指示は全てが的確で、さすが天才外科医だと思わされることばかり。まぁ、ホントはただのスケベなお兄さんなんですけどね。
ゴッドハンド輝は医者なので、たくさんの要救助者が到来するのは理解できます。しかし、タスクに至っては東雲が近くにいるというだけで事故満載なんですよ。金田一もビックリの事故遭遇率です。小さい怪我から、命の危機に陥る怪我まで。しかし、どれほど大変な事故であっても、タスクはカッターをメスのごとく操り怪我人を救います。当たり前ですが、本当は素人がやっていいものではないです。いくら天才外科医が近くにいても、自分の手先が器用であっても、本当はやるべきではありません。もちろん漫画の世界なのでそのあたりはご勘弁を・・・。それでも友人・知人のピンチに、タスク自らを奮い立たせながら簡易手術を施す点は漫画として非常に重要です。助けたいって気持ちが強く強く描かれている作品だと思います。


消えます・・・

2巻ではエレベーター事故、プールの火事、一酸化炭素中毒等の事故と遭遇し、他にも医者の病気見落としを救ったりもしていますね。1話から2話で1つの事故が起きている・・・。毎度毎度、レスキューや救急、お医者さんにいたるまで、タスクの処置を褒めまくっています。タスクって噂にならんのかな・・・。
そんなこんなでタスクは事故に合いやすくなってます。もちろんタスク自身もピンチになり、命を落としかねない場面も多々ありました。そんなタスクに東雲は負い目を感じます(自分は既に死んでおりタスクには命がある)。さらに、これまでは命を救えていたからよかったものの、場合によっては助けられないことだってあるわけで。“命を扱う”というのはそれほどに重いことなんです。そして東雲自身も命を諦める場面に何度も遭遇していたわけで。


・・・最終的に、タスクと東雲は改めて二人のコンビで頑張るという結論に至っています。二人で救える命があるなら、絶対にやらなければいけない・・・と。東雲という知識があり、タスクという手を動かせる熱い男がいる。この二人のコンビは最強です。






とまぁ、シャードックにしろデュオにしろ、相棒がいるという点、人の死を扱うという点で非常に似ているなぁと思うわけですわ。犬と幽霊が相棒というのも面白いですね。警察官となった尊は死んでしまった人の無念を晴らすべく真実を解き明かします。東雲という相棒を持ったタスクは命を落とす前に人を救おうと一生懸命に頑張っています。
尊はシャードックに導かれるように警察官となりました。まだ描かれてはいませんが、タスクも東雲に導かれて・・・?いや、仮に医者になるとしたら勉強ができないとダメなんですけどね〜。ほら、タスクって勉強できなさそうじゃない(酷 まぁ、医者編が本当にあるかは非常に疑問ですが・・・。シャードックのように職業編は見てみたいですけどね〜。面白そうだし。



医者と警察という子供の夢のような物語というのが素敵だなぁと思うんです。まぁ、さすがに犬と幽霊に出会うことはないでしょうけど、何かしら夢のきっかけが見つかるのって羨ましいです。社畜にはまぶしいお話ですわ・・・。俺が幽霊になって社畜をお手伝いするってお話・・・はないな。幽霊になってまで働きたくないでござる!!夢って大切だよ・・・(遠い目)。