演劇王に僕はなれるでしょうか「犬神もっこす・1巻」



こんなんでましたけど

もっこす:九州(特に熊本)で頑固者のこと

去年、今年とモーニングの新連載が賑やかですね。帯文でも書いていますが、「グラゼニ」「鬼灯の冷徹」といった作品はモーニングイチオシになっています。昔ながらの作品に加え、ジャイキリや宇宙兄弟といった大人気作、そして若い作品の勢いがあります。モーニングはあと10年は戦えますね。
というわけで、グラゼニと鬼徹の次は犬神もっこすだそうです。一言で言えば・・・謎の作品です。



犬神君は謎

人一倍感情の起伏がない青年・犬神宗。そんな彼が演劇サークルと出会い、ちょっとずつ成長していく物語・・・・・・・・・・・・・・でいいの??普通の人と違います。何かが違います。小さい頃からどうやら泣いたこともないそうです。笑ったこともないそうです。完っっっっ璧な無表情です。それでいて変な方向に頑固者。普通ならまぁ・・・相手にしたくないタイプですわ。なお、アルバイトで彼なりの歓迎をやった結果、遊園地の子供を泣かせています。・・・彼は普通ではない。
皆さんの子供の頃にちょっと変な奴っていませんでしたか?謎のシュールさを出しながら、大きくなってから思い出してみると子供特有の目立ちたがりの一環だったなぁって感じの。犬神君はそれが素の性格のまま育ってきています。母親からも天真爛漫さがないと言われ、親子の関わりがほとんどない子供時代を過ごしています。中学高校と友人から相手にされず・・・。その時点でひねくれそうなものなんですけど、彼は打たれていることに気付かないタイプでした。


でも、自分の台詞は欲しい・・・

決して他人に興味がないわけでもありません。もっと言えば、無感覚な自分を変えようともしています。初めてやった演劇では台詞が少ないからと先輩たちを倒しています。そもそも何故彼は演劇をやっているのか。いや、むしろ何故彼に演劇を引き合わせたのか・・・。


衣装も舞台装置も自作

彼は勝手に考え勝手に動きます。本来の劇とは全く異なる展開を引き起こします。ただ、それは彼の新たなる感情を引き起こす鍵となり、彼は成長していきます(劇をめちゃくちゃにされる方はたまらんだろうけど)。そんな彼を「面白い」の一言で許すサークルのメンバーもアレですが・・・。


やさしい?サークルの面々

犬神君と違った意味で性格がおかしい部長。犬神君に無理矢理家まで付いてこられた椛島さん、普通普通普通の狭山さん、その他犬神君に劇で殴られた面々。劇を大変なことにされても、犬神君に常に振り回されても、何故か彼を許してしまうサークルの仲間たち。
性格上、グループに属することが苦手(周囲が毛嫌いするだけで、犬神君自体は苦手ではない)だったにも関わらず、親ですら投げ出したような性格にも関わらず、初めて犬神君を仲間として迎え入れた演劇サークルの皆さん。心が広いというか、面白いこと好きというか・・・。しかし、彼らがいなければ、この作品自体が成り立ちません。先輩の皆さん、ありがとう。犬神くんはまともじゃありませんが、よろしくお願いします。



毎週楽しみにしている作品なのですが、ずっと「何が面白いのか分からない」まま途中まで読んでいました。もちろん毎回笑わせてもらっているのですが、何と言うか・・・いつの間にかクセになってる作品なんです。仲間になりたくないけど、なったら面白いだろうな。ツッコミに忙しくなるだろうな。部長しっかりしてください!等々。まぁ、こんな犬神君ありの大学生活も面白いかな〜と思いながら読むと楽しいですよ。オススメ。