仏師物語完結「ブッシメン・4巻」



仏像物語

イブニングで連載していた「ブッシメン」の最終巻が出ました。死んだ父と同じ仏師を目指した青年・奈良崎玄造の物語。まぁ、何故か仏様半分、フィギュア半分なお話だったりしますけどね。普通は知らない仏様の話、もちろん仏師がどういった存在なのか、果てはフィギュア製作の舞台裏まで、楽しく読ませてもらいました。いい作品でしたね・・・。
そもそも仏像に触れ合う機会ってないんですよねぇ。あまり仏像を見に行くこともないので・・・。最近は仏像好きの女性?仏像女子?仏女?といった言葉も出るくらいに人気はあるらしいですけどね〜。いかんせん仏様は数も多くて何が何だかというのが本音。もちろんブッシメンを読んで多くの知識を得ることは多いですが・・・。まぁ、人が何にハマるかというのは分からないものです。ブッシメンから仏像好きになる人も出てくるかも?そんな作品です。
あ、よくよく考えるとフィギュア界隈も門外漢でしたわ。



贋作だ

最終巻となる4巻は、3巻から引き続きの兄弟喧嘩のお話&贋作問題のお話が収録されています。特に贋作のお話は仏師たる玄造にとって重要な問題でした。そもそも問題となったのが、玄造の父の贋作が出回っているというところから始まっています。
仏像のルールも知らずに作られる量産品。そして勝手に騙られる父・玄馬の名前。仏像を売る人間も贋作を堂々と売ってしまう世界。そんな中で玄造は“本物”とは何かを悩み始めます。本来、仏像は仏師が心を込めて彫る一点もの。そもそも彫った意味というものが存在します。いや、それを描いていたのがブッシメンなんですが、最後に持ってきたのは・・・贋作のお話。


父さんの仏像を探すよ・・・

しかし、そうなるとフィギュアってどうなのか・・・という問題に苛まれる玄造。量産されるためだけの贋作と、量産されるフィギュアの数々。フィギュア作りに手を貸していた玄造にとって、地味〜に大きな問題となっていきます。・・・と、いうわけで玄造はフィギュア作りをやめてしまいます。




仏像とは・・・

なんやかんやで仏像への気持ちを取り戻した玄造。もちろんフィギュア作りへの回答も見出します。
その際に、父の名前が使われた贋作と本物を比較しますが、何と瓜二つだったという事件が発生しています。はてさて“見た目”という点だけなら、まったく一緒。もっと言えば、キレイに量産できるという点では贋作の方が優れているかもしれません。いくら魂がこもっていると言っても、本物が贋作より勝るところって・・・何でしょう。まぁ、そういう点を含めて回答を見つけているようなので、それは成長という部分なのかもしれません。本物の輝きってあるんですよ・・・。



割とさっと終わってしまった印象です(作者の小野洋一郎先生は長続きしたと言っていますが)。絵が抜群に上手く、女の子が可愛い。いや、女の子が本当に可愛い。そのあたりが印象に残る作品でした(もちろん仏像話もね!)。
気になったのは玄造の恋愛事情でしょうか。この手の作品によくある鈍感男ではありますが、幼馴染、仏女、女性の仏師。巨乳から適乳まで様々。全員が玄造に好意を持っているのが好印象。残念ながら誰と〜という部分まで描かれてません。・・・とても気になりますね。次回作もイブニングでやってほしいものです。次はどんなテーマになるか楽しみ。期待しています*1。仏像・フィギュア作品としてとても手軽に読める、手に取りやすい作品じゃないかと思います。気になる方はどうぞ。



*1:希望としてはあまあまな恋愛ものとか見てみたい・・・