仲間の成長が頼もしすぎる件「少女ファイト」



少女ファイト9巻は通常版と特装版があります

少女ファイトが好きです。大好きです。というわけで、9巻も通常版と特装版の両方を買ってます。なお、特装版には作中でも登場するスポーツバッグのミニサイズ版が付いていました。過去には公式同人誌なんてのもありましたね〜。今回のミニスポーツバッグですが、サイズ的にも小物入れとして絶妙の大きさじゃないかと思います(ステマ)。実はちょうどこのくらいの物入れが欲しかったんですよ〜(ステマ)。買ってよかった(ステマ)。まさか好きな作品の特装版に付いてくるなんて思ってもみませんでした(ステマ)。
ちなみにですが、こちら(http://www.akui1000.com/catalog-up-t/ts0072.html)では作中に登場するTシャツも販売しています。スポーツバッグとTシャツは同柄なんですよね〜。もちろんTシャツの方も購入済みです。



○9巻ヒロインは伊丹さんでしたね



「自分が着たい服と似合う服が違うってのはわかってるけど
一度くらい好きな服を着て認めてもらいたいじゃない?」

ガチ泣きしてしまいました。伊丹さんの話がすごすぎて泣いてしまいました。
小さな背ながらも、持ち前の努力でセッターとしての技術を磨いてきた伊丹さん。身長が足りないというのはある意味大きなハンデですが、それを補えるだけのものを得ようと必死になっていたのは、自分や他人への厳しさを見るに理解できます。そんな中、チームのために“リベロ”をやってくれと監督・コーチから正式に伝えられます。確かに伊丹さんのレシーブ能力はチームトップクラス。しかし、着たい服は違うんですよね・・・。
「伊丹、お前にはリベロをやってもらいたい」
この言葉は伊丹さんにとって死刑宣告みたいなものだったと思われます。しかし、伊丹さんの言葉から分かるとおり、似合う服が何なのかは自分でも分かっていたんです。・・・でも、似合わない。似合わないのは重々承知だけど、好きな服で認めてもらいたい。こんな乙女の素直な言葉を聞いて泣くなという方が無理です。


伊丹さん復帰

まぁ、好きなものを取り上げられて逃げるような人じゃないのは分かってましたけどね。練習試合中に復帰しますが、また登場の仕方がかっこよすぎ。腕のアザがキラリと光ります。技術力もあり、指示もできる。主人公にはなれなかったけど、皆を支えることができる人間に成長してきた、いやしている最中なのかもしれません。作中では数十ページ、日にちにすればほんの数日、だけど伊丹さんはとてつもない成長を遂げたように見えます。
しかしまぁ、相変わらず日本橋先生の言葉選びには驚嘆せざるをえません。伊丹さんの心情を“服”で表現してますが、実に分かりやすい。分かりやすすぎて伊丹さんの気持ちが分かりすぎる。日本橋作品を読んでると日常茶飯事なんですけど、いやはや凄いとしか言えませんわ。ただ、一介の女子高生が、こんな言葉選びするんかよ!?というツッコミはなしの方向で。
ところで、伊丹さんって10年後ぐらいに黒曜谷の監督やってそうですよね。





○一方の小田切さん・・・



素人気分は捨てました・・・

田切さんは何度素人気分を捨ててるんだろう・・・とたまに思います。いや、もう十分素人気分は抜けてると思いますけどね。強いて言うなら髪を切ったあたりでもう。
というわけで、9巻からついに小田切が正セッターに任命されます。時折見せる小田切の能力の高さには目を見張るものがあります。しかし、圧倒的に経験が足りません。そもそもバレーを始めて1年も経ってないですもんね。確か5巻の大阪シリーズでは「伊丹のやりたいポジションでやっているところを皆に見てもらいたい」と言っていたかと思います。ただ、現実は残酷で、伊丹がセッターをすることはありません。8巻でルミコと速攻の練習を〜なんて言ってたのに、9巻ではセッタークビ宣言ですから。
もし仮に小田切がバレーをやっていなければ、伊丹がセッターだったかもしれません。チームとして色んなものを深めようとした結果、小田切が伊丹がやりたかったポジションを奪った。黒曜谷の中では珍しい話題でした。
逆に、責任感が強く出すぎた小田切は・・・ヘバります(笑)。大会中にフル出場しようとしてダメになりました。いつもは伊丹が助けてくれてましたけどね・・・。まぁ、このあたりは今後の精進次第でしょう。かなりイイ薬になったみたいなので成長が楽しみです。


9巻はあれですよ。伊丹と小田切の成長物語でしたね。日本橋作品で重々理解していますが、本質的な部分で人は変われるんだろうなと思います。9巻ラストの小田切は何か・・・すごかった。伊丹さんのように下地がある人のようにすぐ結果は出ません。ですが、先が見えない分、期待値が高いです。





○余談でいくつか



桃園が応援してくれてます

こういっちゃ何ですけど、ベットバレー後に桃園と最初にやれてよかったですよね。意外と葛原も悪い奴じゃない、というか面白い。平沢、丸岡のいい人コンビが「黒曜谷ともっと仲良くしたい」と言っていたのも思い出深いですね。自業自得かお人よしか、理由は様々ですが常にヒールを“演じる”ことの多い黒曜谷にあって、自分たちを分かってもらえる人たちが少しでもいるというのは大きな力になると思います。葛原は馴染みすぎだけど・・・。





次号予告より

黒、白、青、朱の4色を象った高校がこれから中心になりそうです。全てに因縁がある高校。練にとっては白雲山はもちろんのこと、青色こと青磁高校の怪しさが・・・。練の写真を部屋一面に張る青磁高校の雨宮とか怪しすぎますやろ。どう考えても練の白雲山入学事件の首謀者っぽいですし。練が嫌いなのか、愛おしすぎるのか、ただただ練と試合がしたいだけなのか。白雲山の特に唯隆子とは話が落ち着きそうかな?と見ています。まさかの小田切との共闘には驚きましたが。ただ、共闘した理由と言うのが・・・やはり雨宮なんですよねぇ。昔のメンバーと試合すると力が出ないというのは、練にとっても嫌な相手かと思いますが・・・。
黒曜谷がどのチームとあたるのかはまだ見えませんね。あの因縁の決勝を考えれば最後は朱雀。練という主人公の成長を見るという意味では、最後に青磁もアリ。ちょっと因縁が弱まりましたが、隆子と練の試合は最後で見てみたいという気も・・・。できれば黒曜谷には全チームと戦ってほしいです。まぁ、まだ違う強豪チームが出てくる可能性もありますし、そのあたりは今後の楽しみということで。


そういや、最近男子チームの話を見ませんね。ミチルは兄を超えることができるんでしょうか。








冒頭の話に戻りますが、黒曜谷のTシャツとミニバッグには同じ言葉が記されています。まずはご存知、Memento mori「自分がいつか死ぬことを忘れるな」という意味です。そして、その言葉の下には「人生は短いが技術を習得する時間は長い(Vita brevis, ars longa.)」という意味が込められた文章が入っています。
死という人生の最後についての言葉。そして、その過程について書いた言葉。この2つが入っています。先は長い。でも、彼女たちがチームとしてまとまって試合に挑めるのは、その中の一瞬なんですよね。しかも成長しきっていない状態で。成長しながら、自分たちが迎える一瞬に挑んでいきます。だからこそ何をしなければいけないか。・・・まさに人生の教訓ですね。
いや〜、全キャラがいい味出してますね!!楽しい!面白い!大好き!これでイブニングに毎号載ってたら本当に嬉しいんですが、望みすぎは良くないですから・・・。次は10巻ですか。また特装版があればいいですね。そろそろバレーボールが付いてきてもおかしくない??次巻も楽しみです。