ファンタジー+エロ+宇宙的なもの「四季大賞2012夏」



四季賞20012夏

早っ!!もう四季賞の時期ですか??信じられません。3ヶ月毎に出るのは分かっていますが、もしかして1ヶ月くらい実は早く出してる時があるんじゃないかってくらいに時期が分からなくなってきました。でも確かに前回の2012春は5月ですね。自分が歳をとってしまったのか時間のスピードが分からなくなってきます。色んなものに対して時間の経つ早さを感じますが、一番驚かされるのは確実に四季賞です。というか、毎回毎回「もう出たの??」と驚かされてます。
余談ですが、去年の夏の大賞受賞作は「ZNTV東京支局」でした。あれから1年ですか・・・。





○四季大賞
四季大賞は土屋真帆先生の「パライゾ」が受賞



とある家族の物語

不思議な島の物語。不思議な島に住む一家の物語。イチ、ニ、サン、シという兄妹による物語。残念なことに長男のイチは家に取り込まれました。三男のサンは島に住む謎の女性たちによって食われました(謎の女性たちは男性しか食べない&イチも片腕を食べられていた)。次男のニは長女のシを島の呪縛から解き放つために家ごと焼死しました。そして、シは島の外へと出て行きます・・・。
はっきり言うと、この作品の世界がよく分からないんですよ。家の外に出ると謎の女性陣に食べられる。しかし、家にい続けると家に取り込まれる。取り込まれるというのは比喩ではなく、体と意識がいつの間にか柱の一部になっていきます。なお、取り込まれた後、子供として柱の前に転生してきます。女性だけが謎の女性に食べられることはないため、買い物等々をシがこなす生活でした。最後は家をニが燃やすことで自由になっていますが、最初から最後まで何がなにやら・・・。
ただ、四季賞らしいな!とか勝手に思ってしまいました。絵柄や設定等々、とても良かったと思います。具体的なメッセージはないと作者の土屋先生も言っていますが、深く考えちゃいけないのかもしれません。むしろ、作品の丁寧さを見せ付ける作品だったのかも??あと、よく分からん設定が重要なのではなく、設定という呪縛に対してシという妹のために全てを終わらせた(シは外に出られるので、家族によって家に縛られていた)家族物語だったというのが好きでした。まぁ、さすがにもうちょっとどこかに設定の話を組み込んでくれると嬉しかったんですが・・・。仮に補完することがあるのなら楽しみにしたいです。





四季賞
四季賞は飯島しんごう先生の「えろほんさん」が受賞



エロ本が付喪神に!?

エロ本が付喪神なってます。しかも、エロ本の持ち主である主人公がリアルの女性でオナニーしたことに嫉妬してドタバタコメディしてます。ええ・・・なんのこっちゃという感じで進んでいく作品です。まぁ、主人公は最後の最後で意中の女性にふられて終わるんですが・・・。辛いことがあっても、エロ本があれば大丈夫ですよね(にっこり
まさかのエロ本ネタで四季賞受賞です。どうやら受賞させていいのか?という議論もあったようです。ただ、四季賞の良さは何ページでもどんな作品でもがモットーだったと記憶しています。それがどんな作品であれ、面白ければ受賞してもいいですよ。実際に面白かったですし。オナニーした後の丸まったティッシュを「白薔薇」と読んでいたことには爆笑でした。白薔薇てwww  いやしかし、これがまた絵も上手いし、白薔薇を含めたギャグも面白いしで文句なしでした。
ブコメに対してこんなぶっ飛んだテーマでやってくるのって、渡辺静先生くらいしか思いつきませんよ??才能って大切ですよね〜。ただこの作品・・・・・・・・・エロ本がリアルの女の子を追い掛け回しただけじゃ・・・・。





○特別賞
特別賞は蘇芳浅海先生の「宇宙のかたすみの物体X」が受賞



二人の物語

隕石が落ちるところを偶然見た二人の少女、それぞれの視点から描かれた2つのストーリー。1人は暗くて周囲からも怖がられている少女(ただし天然)、もう1人は男子からチヤホヤされる可愛い少女(ただし本性はズボラ)。そんな二人が拾ったのが宇宙から来たと思われるネコ型の何か。学校の先生も巻き込んで・・・というか、ネコっぽい何かが先生を乗っ取って終了しています。そして、二人の視点から事件の全てが見えてくるという構成になっています。
二人の少女の感性が全く違って面白い。片方の話だけでは成立しない?両方あって面白くなる作品だったと思います。何故か分かりませんが、二つのストーリーで絵が全然違うんですよね。わざとなのか偶然なのか・・・。例えば片方は影を線で描いているのに、もう片方はトーンで描いてたり。いや、これはこれで面白いですけどねw そのおかげか、宇宙が大好きな天然少女の方はメインテーマが宇宙から来た謎ネコを描くための勢いが良かったです。もう一方のチヤホヤ少女は、先の天然少女との友情が垣間見える⇒丁寧な雰囲気のある絵がマッチしていました。こういう技法もアリなのかもしれませんね〜。








次は・・・11月ですか。また「もう出たの?」と思っちゃうんでしょうねぇ。今回は応募数181本。年4回もある新人賞で、こんなに多くの人が申し込むのか・・・と驚くばかりです。むしろ審査するほうも大変じゃないかと思ってみたり。春夏秋冬、どの時期に出したほうが自分の作風に合うとかまで調べられてたりしたら面白いのに。とりあえず次回も楽しみです。