さよならは突然に・・・「進撃の巨人・7巻」

進撃の巨人もついに7巻まで来ました。毎月毎月休まず描き続けている諌山先生にはもう頭が上がりませんね。一度くらい休んでもらってもいいのでは・・・?と思っている方ですが、進撃の有無で売り上げが大幅に違いそうなので微妙なところです。最近はシャツを売り出したり、携帯ゲームになったり、ラノベにスピンオフにと大盛り上がりを見せています。新規顧客というよりは、現在の読者が喜びそうな展開ばかりなのも好印象。映画化まですれば新規も更に増える可能性もありますからね。まだまだ進撃は続きます。
あ、ちなみに通常版も限定版も買いましたよ。ご祝儀みたいなものです。そういえば最近はあまり”○○万部売れた”って騒いでないですけど、今って何万部売れてるんだろうか。ちょっと気になります。
それと、先月からサイト上で人気投票をやってみました。面白い結果になっているので一度確認してみて下さい。
http://d.hatena.ne.jp/toldo13/20120407/p1 


というわけで、いつも通り単行本内の更新を置いておきます。

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文章を書く才能と同じくらい、タイトルを付ける才能も欲しいものです。やれやれ・・・。






○アッ子さんの謎
6巻ではエレンたち104期生による初の壁外調査、アキ子登場、アキ子生け捕りというイベントがたくさんありました。最も注目すべきはやはり”アキ子の生け捕り”でしょう。エレンを追いかけてきたアキ子を視界の悪い巨大樹の森へと連れて行き、生け捕り装置、正式名称:対 特定目標拘束兵器により身動きが取れない状況へと追いやります。そして、7巻はそこから始まります。
アキ子の登場は色々な可能性を示しています。通常の巨人とは異なる種がいることを確実に示してくれたこと。エレンという存在を気にかけていること。そして、もしかすると知っている人間が変身しているのではないかということ・・・。これまでにもいくつか正体に関する伏線があったので、是非是非確認してみてください。全ては始めから仕組まれていたことなんです。単行本派に遠慮して正体は書きませんが、いやまぁ、これまで何度か言及しているのでバレバレなんですけど。鍵はアルミン・アルレルトですかね。あとはアキ子の戦い方、エレンゲリオンが倒された時に呟いた一文字といったところ・・・ですかね〜?



囚われのアキ子

エルヴィンの機転により、アキ子をとっ捕まえてます。新人勧誘の演説からカマをかけていたそうですが、104期生あたりに絞っていたのかどうなのかは分かってません。内通者程度はいるだろうと思っての過剰な演説だったのかな〜と思ってますが、というかエルヴィンの心情があまり出ないのでちょっと不明な部分です。どこまで分かっていたんだろうか。
で、一方のアキ子はとある脱出方法で抜け出します。それは、周辺の巨人を呼び出すという方法。アキ子の雄たけびで人類を無視しながらアキ子に突貫する巨人たち。ここで気になるのは、「雄たけび=巨人との意思疎通」となっていたのか、それとも「雄たけび=位置を知らせる程度のもの」だったのかという点。前者であればエレンにもそういった能力が持てるという可能性があります。後者であれば、巨人の興味がアキ子>>>人類だということになります。


今回のアキ子の行動は非常に謎めいたものでした。あくまでも目的はエレン。しかも殺すわけでもなく、生け捕りという目的での行動。アキ子は生け捕りにした後、どうするつもりだったのでしょう。仲間にするつもりだったとか?それとも・・・?



アキ子の涙

まぁ、アキ子さんの目論見は人類最強のリヴァイ兵長によって失敗に終わりました。これが良いことだったのか、悪いことだったのか。それらを判断する材料は特にありませんが、アキ子の最後に流した涙がどういった意味があるのかは非常に意味深です。
アルミンはエルヴィンを「選ぶことのできる人間」だと評しています。そして、そのエルヴィンはアキ子を「覚悟を持った者」だと言っています。アルミンも同等の人物だと思っているんですが、彼らはこの世界で生き残る、世界の謎を解き明かせる人物だと思います。そんな覚悟を持って人類に喧嘩を売る、いや滅ぼそうとするアキ子さん。彼女の胸中やいかに・・・。
ちょっと話がそれましたけど、アキ子はどうして涙を流したのでしょうか。痛かった・・・というわけではないと思いますが、エレン確保がそれほどアキ子にとっても重要だった〜ということなんでしょう。もしくは覚悟を持って挑んだ作戦を失敗したことか、人類を裏切っていることに対する悲しみか―。涙といえば、第1話のエレンの涙を思い出しますね。何か関係があるんだろうか。






○亡くした者とリヴァイ兵長
でまぁ、アキ子さんは相当に強かった。特に硬化能力が恐ろしかったですね。硬質化した手で覆い隠したうなじ部分によって生き延びています。攻撃力は比類なし。スピードも防御力も最強。生け捕りにしたものの、防御力MAXのアキ子さんを一度逃がしてしまいました。そしてあの惨劇を生み出すわけです・・・。



リヴァイ最強

エレンゲリオンが敗れ、ミカサも気負いすぎている中、リヴァイがその最強の剣としての威力を発揮します。彼は強い、強すぎる。補給さえ完璧なら単独で外壁に遊びに行けるレベルです。調査兵団の猛者を手玉に取ったアキ子をスピードで圧倒し、ギリギリまで追い詰めています。残念ながら硬質化により倒すことはできませんが、追い詰めたという時点ですご過ぎる。とはいえ、知性持ちを倒せない可能性があるというのは辛いですね。だからこそエレンゲリオンが切り札となり得るわけですが・・・。
普通のヒーローものなら、巨人の硬質化を切り取る刃をパワーアップ的に手に入れるんでしょうけども、これは進撃の巨人。そういうわけにはいきません。




リヴァイが得たものは・・・

アキ子登場までは予想できた。しかし、そこから逃げられるところまでは予想もできず・・・。失ったものはたくさんありました。そう、まさかのリヴァイ班消滅。さすがに4人が死んだ時、「そんなバカな!?」と驚きました。オルオという愛嬌のあるキャラ、リヴァイ初登場の頃からいたペトラ、あとその他。彼らがアキ子に殺されるという事件は、この作品の本質が出ていましたよね。読者のほとんどが驚いたと思いますけど・・・。マルコ以来かなぁ。
何が悲しいって、帰還時にペトラのお父さんがリヴァイに語りかけてきたことですよね。第1話の調査兵団帰還時にも家族が悲しむ場面はありましたが、今回は調査兵団の兵士をなまじ知っていただけに悲しい場面となりました。そして、エレンたちと尊敬の眼差しで見つめる少年少女の視線・・・。


そもそも、街の人は外の世界を知らないから、巨人がどう恐ろしいかを知らないから、こういった温度差が出てしまうんだろうなぁと思います。期待が絶望に変わる瞬間を7巻では学ばせてもらいました。ちょっと・・・泣いちゃったよ。






○エレンが悪かったのか?



エレンの選択は間違いだったのか?

あの時こうしておけば・・・と悩むことは多いですが、エレンの場合は人が仲間が死んでいるので辛いですよね。6巻からのペトラたちとのやり取りを見ていると尚更そう思います。これが最善の選択だと思います。しかしまぁ・・・何と言うか「選択」とか言われるとゲームみたいですねぇ、あはは。
少なくとも今回のエレンの選択は最適なものだったと思いますよ。少なくとも「仲間」を大切にしている主人公ですからね。俺様キャラなら確実に変身していたと思います。それをしないあたりがエレンらしさなんだと思いますよ。だからこそ愛されている。人気投票で壁以下だったけど。




エレンゲリオン最後の言葉「・・・ア」

選択肢を間違えても、できればアキ子には勝ってほしかったですね。最後の切り札なんですから。リヴァイの刃が届かない相手だからこそエレンの力の重要性が見えてきます。硬質化もそうですが、変身できる確固たる能力を身に着けてほしいですね。
次に戦うことがあっても、対人訓練上位のエレンならできる。アニに蹴られてたけど、エレンならできる!!・・・多分。
それはそうと、エレンゲリオン対アキ子は大迫力でしたね!!本当はこういった場面を描きたいんだろうなぁというのがよく分かります。巨人は強いですが、格闘してるわけではないですからね。格闘技大好きの諌山先生ならではのお話となっていました。その分、書くこと少なくなるんですけども・・・。あ、エレンが喋った!というのは大きかったかも。もしかするとエレンゲリオンとミカサが言葉で意思疎通しながら戦闘ということも可能???ちょっと楽しみかも!!






○余談



人為的に壁を壊そうって奴がいるんだろ??

ジャンさんの口から語られた衝撃の事実。・・・いや、衝撃じゃなかったかも。薄々気付いていましたが、進撃の巨人内でハッキリと言ったのが重要なので余談的に書いておきます。
恒久の平和を失う原因を作ったのが「人類」だという事実はジャンたちにとって重い内容かもしれません。超大型巨人がいなければのほほんと暮らしていたわけですから。それをハッキリと認識した、それもジャンが気付いたという部分は大きいですよ。
疑わしいのは宗教家的なものなんですが、壁を壊すのを反対しているしなぁ。憲兵団に関係するのか???と思いつつ、全然分かりません。利益がなさすぎますよ??人類が嫌いとかなら分かりますが、そんな人っているのかね・・・。壁の外から説も確かにありえるなぁ。分かりかねます。



エレンが巨人になった日

エレンが巨人だったと分かった時から侵攻が止まったとアルミンは予想しています。これがちょっと引っかかってます。確かにその通りなんですが、エレンがそれほど重要なんですかね??人類を敵に回す覚悟を持つほどのアキ子たちなら、エレンなんて気にせず攻めていけばいいんですよ。破壊しまくればいいんですよ。それなのに、7巻でもあったように生け捕り。もちろん今後語られるんだろうとは思いますが、非常に謎です。
最初の超大型巨人の登場から数年経っているのも謎でしたけど、色々と悠長なことで・・・。




というわけで7巻でした。長いような短いような。まだまだ進撃は止まりませんよ。あと、何人死んでしまうんや・・・。怖い、この作品は怖い。でも、次の巻も楽しみになっちゃう!!これが21世紀の王道か・・・。