鞘か剣かサヤビトか「サヤビト」

good!アフタヌーン別冊少年マガジンか。結局どっちが好きなのか?と聞かれたら、悩んだ挙句グフタだろうと言います。しん・・・しん・げ・・?なんでしたっけ。よく分かりませんが、別マガもいい雑誌だと思っていますけどね。だってサヤビトが大好きなんだもん!!(ドンッ)*1



表紙裏は茶色!

これまで1〜5巻の表紙裏はリヴィア、クイファ、レトラ、リオン、アンが担当してきました。色も青、赤、緑、桃、黒と変化し、さらに各キャラの頭文字のアルファベットが大きく描かれているのが特徴でした。しかし、今回はテオ(別名トーヴェ)が担当で、「T」が描かれていません。さらに言えば、23人のサヤビトとたくさんの頭文字・・・。いつもとは異なる雰囲気が出ていますね。それだけテオが異常ということでしょうか。


自分の話になりますが、毎度毎度、記事のタイトルを考えるのがめんどくさいなーとか思っています。何故そんな話をするかというと、サヤビトの各話タイトルが上手いなぁ、タイトルだけで言いたいことを言えてるなぁと感心しているからです。
16話:私がんばったよ!
17話:空っぽな体の中
18話「私」と「私以外」
16話はサヤビトの良心・メイの頑張りの話。17話はリヴィアと同じサヤビト実験の被害者でもあるテオの話。18話はリヴィア&レトラというサヤビト実験による後遺症を解消する話。特に好きだったのは16話のメイのお話でしょうか。



メイちゃん、頑張ったね!

リヴィアが皆の前で泣いてしまったという部分も見逃せなかったお話でしたけど、テオに襲われて窮地に陥ったリヴィアを助けたメイちゃんのお手柄が一番重要でしたね。これで主要人物のほとんどの見せ場が描かれたはず・・・?
いつもお掃除してるな〜くらいの印象しかなかったんですが、戦いに参加させてみると意外(?)に活発。どちらかと言えば無理矢理の参加でしたけど、機転もきくし、頭の回転も早いのが好印象です。こんなよm・・・・娘がほしいです(ニコッ


アレックス=アレッサンドロ

なぜ16話が好きなのかというと、アレッサンドロの展開が素晴らしかったから。アレッサンドロはリヴィアが初めて取り込んだサヤビトであり、最初から最後までリヴィアの身体の中でリヴィアの心配をしてくれていたサヤビトでした。で、実はこのアレッサンドロがメイが昔お世話になってたという・・・。
改めてアレッサンドロとリヴィアとの会話部分を見ると、確かにメイがいました。黒い服を着て蝶々を追いかけています。16話冒頭で”アレックス”と呼ぶ少女がメイなんだろうなぁと読み進めていったら、実はアレックス=アレッサンドロだったということでちょっとビックリ。そして、メイの支えにもなり、リヴィアの支えにもなってくれた。すんごくいい奴なんだろうなぁというのが見て取れます。ただ、そのアレッサンドロを殺したのはリヴィアなんですよね。わざわざ言う話でもないですが・・・重い。ただ、この作品ではよくあることです(褒め言葉)。

「アレックスに褒めてもらいたかった」

笑顔のメイは、テオに殺されかけたリヴィアを助けています。もちろん命がけで。アレックスに褒められたかった〜というのが直接的な理由ではないにしろ、リヴィアを助けたわけです。アレックスがメイを優しく、そして頑張り屋さんに育てたおかげでリヴィアが助かったわけです。リヴィアをアンの憎しみから守った彼は、リヴィアによって殺されています。・・・泣いたよ。




テオさんは殺さない

テオ、むしろ5巻まではトーヴェと呼んだほうがいいかもしれませんが、彼はリヴィアの次に作られた呪われたサヤビトです。トーヴェは”殺す子”という意味。リヴィアは”戦う子”という意味。これだけでどういう経緯で起動させられているかが分かります。
そんな本名・テオがリヴィアを襲い、アンが活躍した16話。17話ではそのテオと二人の少女、キィトとスィトが拾います。この二人と言えば、以前にもサヤビトのニルを拾った経験があるのを思い出します。サヤビト拾いの天才かもしれませんな。俺も可愛いサヤビトを1人拾いたいんだけど、どうすればいいんだろう・・・。

で、キィトとスィトはサヤビト拾いの天才且つ、サヤビト癒しの天才でもあるという・・・。
以前拾ったニルは、完全な人殺し用のサヤビトでした。それをお母さんとしての意識を目覚めさせ、今回はテオの凶暴性を少しの間ながら抑えています。特にテオ内の凶暴なサヤビトを消すことにも成功しており、末恐ろしい少女たちだなぁと思わされます。
しかし、本来のテオという人格は優しい少年なんじゃないだろうか・・・。





リヴィアとレトラが完璧になりました

あと、一番の驚き?だったのは、レトラもリヴィアと同じ存在だった〜ということでしょうか。いや、気付いてない俺もアレなんですけど。抜刀の波形紋をそこまでよく見ていないのも悪いですが、レトラの波形紋が元々ああいった形なんだろうなぁ程度にしか考えていませんで。
2巻に出てきた魔女のミトさんは、リヴィアの波形紋を見たのは3人目だと言っていました。一人がレトラだったんでしょう。じゃあもう一人は・・・?と気になるところで、レトラがあまり抜刀しない理由がよくよく分かりました。

1巻からずーっと読んできて、リヴィア(レトラ含む)が自分の剣を手に入れた場面はとても素敵でした。読んでほしい作品です。



ミトさんと言えば、最後の「迷ってるくらいなら動いたほうがいい。動けないならおいしいものを食べて、寝てしまえばいい」という言葉にしびれました。言葉足らずで、いつもウニウニしてるリヴィアですが、この言葉で変わってくれたらいいなぁと思ってます。少なくとも、これまで考えてしまうことの多かった過去の出来事について解決していってますので・・・。
これに限らず、この作品では響く言葉が多い。とても多い。だからこそ好きなんですけど〜。心にぐっとくるようなこと描いてくれる伊咲先生(AA略
レトラの思い出話もすごくよかったなぁ〜と続きが楽しみになります。そうか・・・だからレトラはクイファのことを。・・・恋する少女って可愛いよね!!



誰かに頼らざるを得ないサヤビト。彼らは戦う道具でもないし、かといって普通の人間でもありません。ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ人間と違うだけです。戦う剣を収める鞘となっているだけ。そのちょっとだけのために、多くの悲しい出来事に溢れてしまっているだけ。だからこそ切なくなるし、彼らのこれからが上昇していくと嬉しくなります。そして、こんな素敵な作品をアレッサンドロのような大きな男の人が描いているんだと思うと泣けてきます。*2サヤビト大好きだよー!!



*1:本当はどの雑誌も大好きです

*2:嘘です。伊咲先生は女性です。幼女です。