【悲報】ガーソ残留「砂の栄冠」

「砂の栄冠」が面白いです。プロ野球もいいですが、より青春を感じさせる甲子園を舞台にしているのがいいですね。普通の野球漫画のように試合中に色々と対処するのではなく、試合ではないところから甲子園を目指すというのが捻られてて面白い。
作中では、甲子園理論、甲子園へと出場する方法や甲子園で勝つ方法が語られています。例えば、主人公の七嶋が提唱したのは強靭な体力づくり。練習前に米を食べて身体を大きくしようとしました。もちろんお金の出所はトクさんの1000万円。他には甲子園の応援合戦に勝つためのオリジナル応援歌の開発を頼んだりもしています。トランペットを買うという裏技を使っていますが・・・。



トランペット買ってやるで

ン十万もする楽器を買うほど”甲子園の応援”は大切なようです。それを理解しているのが七嶋だけというのが何とも残念ですが。
余談ですけども、単行本の巻末では”応援の重要さ”が語られています。結構面白い内容だったので読んでほしいところ。あと、なんとヤンマガHPでは七嶋が依頼した応援歌を聞くことができるそうです!!さすがに使おうという学校が出てくるかは分かりませんが、楽譜も公開しているので、もしかするかも??


さて、お話は6巻からの東横戦の結末が描かれています。まさかまさかの逆転を許した七嶋たちですが、もちょっと言うと負けてしまった七嶋ですが、試合の結果以上に大切なものを得たように思います。



頼もしい仲間

東横戦での最大の収穫はチームメイトが成長したことでしょう。七嶋が中心となった最初のチームは、穴だらけのボコボコチームでした。決め球の低めスライダーが使えない。守らせればエラーばかり。攻撃も七島頼り。
しかし、東横戦では自分たちも頑張らなければという仲間意識が芽生え、七嶋抜きで同点に追いついたりもしています。さらには、七嶋のおかげだと認めるチームメイト。これが東横戦最大の収穫。そして・・・


ワッショイ!ワッショイ!

センバツ出場決定!
「しょうがないなあ」とガーソは言っていますが、もちろん七嶋に強要しています。・・・アホか。いや、ホントこの作品最大のガンはガーソことクソです。通称:ガー糞です。七嶋の努力を支えようとしてくれる人たちの優しさ、想い、そしてそれに応える七嶋の手柄をすべてガーソが持っていきます。


試合中では謎采配。心に響かない言葉の数々。練習も、七嶋たちを強くしてくれた練習も、七嶋がお金で雇ったノックマンによって鍛えられたものです。つまり、ガーソは何もしていない。いや、何もしないでくれ!!



さらば伝説のノックマン

この作品では七嶋を支えてくれた恩人が多数います。お金を提供してくれたトクさん。甲子園がどんな舞台かを教えてくれた滝本さんや小林さん。そしてノックマン。
トクさんは大変なことになってしまいましたが・・・って、夏はつれてくぞ!って七嶋さん張り切ってましたけど、夏の甲子園をトクさんが耐えられるのか心配ですぜ?無理しないでね、トクさん。
それと、滝本さん!!七嶋との出会いが偶然だとしても、滝本さんの「ホンマによう来た」「アンタ偉いわ」といった言葉。「今大会一番の行進や」という親心にも似た言葉にちょっと泣いてしまいました。それだけの期待をかけたし、七嶋も努力したんだと思います。いい話や・・・。

で、ノックマンですよ。ついに仕事を完遂し、七嶋の下を去りました。七嶋曰く「監督になってくれねーかな」とのことでしたが、残念!!監督はガーソでしたー。



監督辞めると思った? 残念! 監督はガーソちゃんでしたー!

消 え て な く な れ
メガネが言った「がっかりだろ」という一言に全てが凝縮されてます。ガーソは甲子園を指揮したくて残留。辛いです(選手たちが)。


ただ、それでも何故か憎めない男。それがガーソ。ノックマンの理論を勝手にパクり(きっと実践はできない)、本を出そうか講演をしようか考えるおっさん。勝った手柄は全て自分のもの。もしかして本当に頭がアレなんじゃないかというくらい、ガーソのものになる理論や結果たち。インタビュー中のキリッとした顔がまたム カ つ く(←やっぱり憎い
それでもまぁ、ガーソがいるからこそ七嶋自身も光るのかなぁと思うわけです。監督がダメでも、選手が頑張ればなんとかなる・・・んだろうけども、七嶋大変すぎでしょ。しかして、この作品の面白さの肝はガーソ。そう思うことにしてみたものの、選手たちは嫌だろうなぁ・・・。かわいそう。ただ一言、かわいそう。同情します。