子供の幸せを守る保険医「放課後カルテ」



放課後カルテ

講談社系の女性向け雑誌だとBE・LOVEが好きだったりします。全部の女性向け雑誌・作品を読んでいるわけではありませんが、好きな作品が多いですね。筆頭はやはり「ちはやふる」でしょうか。他にも色々とありますが、最近だと新人さんの「放課後カルテ」という作品が好きです。作者は日生マユ先生。
日生(ひなせ)先生はデビュー後即連載の次期エース候補の1人だそうな。即連載でこれだけ絵が描けて、これだけ優しい物語が描けるとかちょっと衝撃です。BE・LOVEは侮れませんな・・・。調べたところ同人活動もやっているようなので、ちょっと納得。是非読んでみたい。



保険医・牧野先生

新しく赴任してきた保険医の牧野先生は、教職、つまり保険の先生としてやってきました。しかし、本人曰く「医者」とのこと。保険医というと”女性”というイメージがあるんですが、本物の医者がやってきたようです。そのため、保険の先生がやっているようなお仕事はできない、いやそもそも性格的に問題あり??
風邪予防のプリントを作れと言われて、論文を提出した場面にはさすがに笑いました。仕事放棄して寝てたり、子供たちに優しく接しなかったり。ただ、腕は一流のようです。冷静に子供たちの病状を把握し、対処する姿はお医者さんそのもの。


摂食障害の女の子

日常生活の中から病気の兆候を見出す眼力はさすがの一言です。また、異常を見つけてからの行動力は、普段だらけてる牧野先生からは想像がつきません。
1巻では過眠症、ライム病、摂食障害家庭内暴力等々のお話が描かれています。例えばある女の子の無理なダイエット。食べた物を片っ端から吐くという行為を繰り返していました。男の子に可愛く見てもらいたいという気持ちからの行動だったのですが、本当にあり得そうなお話ですよねぇ。ぶっちゃけ死に繋がる行為ですので、見つけたら止めましょう(←?)。なお、牧野先生は異常な体重減少の数値と、軽い胃酸のにおいで特定していました。さすがっす!!


ただ、やはり”保険の先生”としては不適当かもしれません(笑)。所々でお医者さんだなぁと思わされます。そのため、子供たちを預かっているんだという意識の強い先生たちからすれば、あまり好ましくない部分も多いです。それを気にしないあたり大物か・・・。まぁ、小学校という舞台をテーマにしているだけに、いや最近の小学校って大変なんでしょう?牧野先生が本当にいたらどうなるか・・・とちょっと恐ろしいですが、見てみたいかもという気持ちも強いです。




笑顔の子供たち

この作品で一番好きなところは、「必ず最後のコマが子供の笑顔で終わる」ことです。これって大切ですよね。健やかな生活は健康な身体から。変な先生ではありますが、生徒一人一人の笑顔を守る仕事をしています。子供の笑顔は保健室からですよ!!



子供を連れて行った病院で牧野先生の話題が出るなど、ちょっとワケあり?な雰囲気が出ています。まぁ、いい男は少しくらいカゲがある方がいいですよ。いや、知らんけども。このあたりは2巻以降描かれます。ちょっと楽しみ。
行ったら笑顔で迎えてくれるような保険の先生ではないです。ましてや美人女医がいるような保健室でもありません。ちょっとぶっきらぼう。笑顔もなければ口も悪い。それでも、彼の患者たる生徒たちを守る腕は一流。そして、生徒たちの笑顔を守れる腕も一流。こんな保険医にちょっと会ってみたい。そんな作品でした。オススメ。