君と君とで私達「四月は君の嘘」

くじけそうになる私を支えてください。泣きながら頭を下げるヒロインの涙に、すっげー作品が出てきたものだと驚愕しました。月刊少年マガジンで連載中の四月は君の嘘月マガ作品のいいところは、雑誌で読んでも面白い。単行本で読んでも面白い。2度読んでも楽しめる作品が多いのが特徴です。特に四月は君の嘘という作品は、面白くて面白くて震える。会いたくて震えるのが西野カナ。読んで面白くて震えるのが四月は君の嘘なわけです(←?



THEボーイミーツガール

子供の頃は天才と呼ばれていたピアニスト兼主人公の有馬公生。そして、ヴァイオリニストの宮園かをり。桜の木の下で見たかをりちゃんの笑顔に公生の人生が変わっていく。四月は君の嘘はそんなボーイミーツガールな作品になっています。
1巻の最後で、泣きながら自分の演奏に伴奏をしてほしいと頼んだかをりちゃん。母親の死から来るトラウマにより、ぶっちゃけポンコツだった公生に頼むという賭け?に出ました。曲は無理矢理覚えさせた。ピアノが弾けるかどうかは未知数。ただ、かをりちゃんはそんな状態でも公生に頼みたかった・・・。2巻ではこの二人の演奏がついに始まろうとしています。




公生、闇の中へ・・・

しかし、公生は早々にピアノが弾けなくなります。いや、音が聞こえなくなります。母親が死んで1年ほどでやめたピアノは、自分の音だけが聞こえなくなるという重症でした。母親が全てであったという過去、母親にピアノを教えてもらっていた、そしてその母親のためにピアノをやっていた。そんな子供時代の有馬公生。音が聞こえなくなるのにピアノなんて土台無理な話だったんですよ!
ただ、最初はかをりちゃんの演奏にピタリとあわせていたんですよ。かをりちゃんの演奏は暴走気味?自己主張の強い?演奏なんですけども、それでも”上手く”ピアノ伴奏をしていました。その辺、才能があったことを覗わせます。

そんな中、公生は自分の演奏で台無しになるくらいならピアノをやめた方がいいと伴奏を止めます。実を言うと、公生に伴奏を頼むことになったコンクールはそれなりに大きな舞台でした。ヴァイオリニストのかをりちゃんの将来にとっても重要な場所なわけです。そんな舞台だからこそ、マイナスになる伴奏はやめた方がいいという判断でした。しかし、かをりちゃんが取った行動は・・・自分の演奏も止めること。
一般的なコンクールのルールとして、演奏が止まったものは採点されません。しかし、公生の伴奏がないことをよしとしないかをりちゃんは演奏をやめてしまうわけです。そこまで公生に入れ込んでいる理由は何なんだろう・・・?自分の人生が決まるかもしれない状況なのになぁ・・・と、ちょっと不気味にすら思えてくるわけです。




君がいる

まぁ、漫画ですからね。途中で公生が復活するわけですよ。このあたりはもう説明不要です。ぞわっとします。ぞわぞわぞわ〜っとします。ものすごい鳥肌ものです。是非、是非是非そのあたりは読んでもらいたいですね。絶対にグッと来ます。オススメです。


もう少しネタバレすると、実はコンクール後にかをりちゃんが倒れるんですよ。「また倒れた」という言葉と共に病院のベッドにたたずむ場面があります。ちょっと怖い?と思いつつ、かをりちゃんが徐々に徐々に謎の多い少女化し始めています。公生を知っていたのに、知らないフリをしていた。結局、誰が好きなのか分からない。さらにコンクールにピアノ伴奏を公生に頼むなど。そしてそして、2巻での身体が弱いという設定。ちょっと不思議が多すぎますね。いや、これが嘘の一端なのかもしれませんが・・・。




ちょっと面白いなぁと思ってるのが、公生とかをりちゃんがお互いを「君」と呼んでいることなんですよね。主要キャラのほとんどが名前で呼んでるんですけど、公生たちの関係だけが「君」なんですよね。そうなると、四月は”君”の嘘の”君”ってどっちのことを言っているんだろうか・・・。
どっちの嘘なのか。どっちに対しての嘘なのか。二人とも何かしらの過去を持っているようなので、どっちも怪しいなぁ・・・と。ただ1つ言えるのは、天才の部類になる二人の演奏者はある種の共鳴をしているということ。彼らにしか分からないものがあるんでしょう。
何にせよ、超々オススメ作品なので・・・というか、今年を代表する作品になりそうなヨ・カ・ン。読んどいて損はありませんよー。