最強の愛され漫画・・・完結「この彼女はフィクションです。」

年齢のせいか最近は妄想しなくなりました。隣のクラスのあの子とむふふふ・・・な〜んて妄想しましたか?してますか?まぁ、変な妄想まではしていませんが、2次元キャラの岡部愛ちゃん(AKB49より)にゾッコンラヴするくらいが俺の精一杯です。
さてさて、愛ちゃんが載っている週刊少年マガジンに連載していたこの彼女はフィクションです。の最終巻がついに発売されました。最終回が雑誌に載るよりも、単行本が最後ですと言われる方がどこか寂しく感じてしまうのは自分だけでしょうか。




左:ミチル / 中央:ユーリ / 右:フーコ

この彼女はフィクションです。略してこのカノ(カノフィクとも言うらしい)は、主人公のユーリが創りだした”ミチル”という少女が巻き起こすドタバタラブコメです。
創りだした・・・と書きましたが、ミチルという存在は、ユーリが小さな頃から書き溜めたミチル設定ノートが”不思議な力”で具現化したものなのです。もちろん自分の理想の少女ということで、ミチルはユーリのことが大好き。ただ、残念なことに具現化した時には、ユーリはミチルではなくフーコ(先輩)が好きだったのです。それに我慢できないミチルは・・・。



連載当初は相当話題になりましたねぇ・・・あまりにもなユーリの気持ち悪さに。部屋中に貼られたミチルの絵、絵、絵。しかも、描き続ける内にミチルの絵が上達していく始末。興味がある人は一度でいいので1巻を手に取ってみて下さい。ビッシリと見開きで書かれたミチルの設定は・・・こう何と言うか・・・恐怖を覚えます、良い意味で。



さて、最終巻ということでこのカノは急展開を迎えます。3巻から出てきた新しい創造物・アムという存在も増え、ノートの中に引き篭もっていたユーリの周りにはたくさんの友人や恋人ができました。よくよく考えると、ユーリの周りにいるのって女の子ばかりだなぁ。くそっ、くそっ!!(←?
上述しましたが、ミチルは”不思議な力”によってユーリのノートが具現化したものです。しかし、そのノートによって世界が滅ぶ方向へと傾き始めます。それを食い止めるにはミチルの存在を無くすしかないという・・・。



ユーリのことが好きです

最終話に向かっての話は感動もの。是非是非読んでいただきたいところなので詳細は割愛ですが、ミチルの涙まで突っ走ったストーリーの収め方には感服しました。自分の好きだったものが無くなる思い出はあるでしょうか?しかも自ら消えていくことを望んだとしたら?水着回を含めた4巻のほとんどが最高のストーリーとして創られていました。




話の内容から離れてしまいますが、この作品の取り扱いについて少し。
ぶっちゃけて言えば打ち切りです。作者の渡辺先生も認めていますが、打ち切りです。打ち切りという言葉はどうしても好きになれませんね。作者が終わらせたくて終わったのではなく、編集部の意向で終わってしまったということ。それはまるでミチルと別れてしまう選択しか選べなかったユーリのようです。打ち切りの話と最終回までの話をどこか重ねてしまいました。ミチルが消滅した時に泣いて塞ぎこんだユーリ。まるで作者の渡辺静先生を表しているんじゃないかと思ってみたり。



ミチルと会う方法

創作者(渡辺静先生)が創作者を描く、しかも創造物と暮らしてしまう作品を描いたというのは面白いですよね。どこから設定を考え出したのか一度うかがいたいものですよ。あくまで渡辺先生も同じ創作者ですので、このカノというエンドに負けず、ユーリのように立ち上がって次の作品を見せてもらいたいものです。





フーコ「私は君が好きだ」

もし、この作品がマガスペ連載だったらもっと続いたんじゃないかと思います。今の週マガの恋愛ものはちょっと異常です。もちろん悪い意味ではありませんが、GEや君のいる町といったドロドロなものが好かれている印象があります。週マガでこのカノが生き残るには”ミチルの想像妊娠”くらいはしなきゃダメだったんじゃないかと思うほど。しかし、そういった展開ではなく、純真な作風で貫こうとしていたこのカノという作品に非常に好感が持てます。
少しサンデーの話になります。*1サンデーの恋愛漫画は焦らしを重要視しています。ほとんど「好き」という言葉は使わず、最後の最後に爆発させる印象があります。その度にブヒブヒ言う患者さんがたくさん現れる、ネット人気なんかを見てもそう感じます。
一方、マガジンについてですが、マガジンはかなりの頻度で「好き」という言葉を使います。サンデーが”好きな気持ちを育てる”風潮なのに対し、マガジンは”お互いの愛情を育てる”風潮だからだと認識しています。「好き」の後がもっと大切なんだよという雑誌なのです。その考えはもちろんこのカノにも引き継がれています・・・ね。


ユーリもミチルもフーコも、皆、お互いを好きだと伝えています。もちろん言わなきゃ分からない世の中で、気持ちを言葉で伝えるって大切ですよね。
4巻、たった4巻と思えるかもしれませんが、この巻数の中でどれだけの愛情が育ったかは計り知れません。3人の関係や・・・そして、渡辺先生のキャラに対する愛情も育っていったように思います。ぶっちゃけ、渡辺先生はこの作品のこと好きすぎだろ〜と思う点がチラホラ。


読者も作者もこの作品が好きだった。この事実はきっとフィクションじゃありませんよ。渡辺先生にとってはキリの悪いところだったかもしれませんが、非常に素敵な終わらせ方だったと思います。読者の多くもそう思っていると信じています。次の・・・次の作品を期待しています。頑張ってください。





以下、オマケ・・・








恋忍・・・だと!?





そういや何話目かに四稲家の人々のキャラも出てたような気が。仲が良さそうでいいなぁ。

*1:あくまで俺目線なので、違うだろ!って意見はスルー