人を想うってこと「サヤビト」

皆さんは大切な人っていますか?ちなみに俺は・・・ここを読んでくれる方ですかねぇ、えへへ。まぁ、そんなあるのかどうかも分からない”絆”を大切にしつつ、本当にその”絆”を大切にしているサヤビトを紹介したいと思います。*1


その背負いし剣は、運命を繋ぐ絆。(1巻)
愛と絆と戦いの物語。(2巻)
その絆に号泣。(3巻)
剣で戦い、絆に殉ずる。(4巻)

上記は1〜4巻までの帯文の抜粋ですが、どんだけ絆を大切にしているのかと。絆が好きすぎじゃないかと。どうして、この作品が好きなのに俺には絆が全然無いのかと。ちょっと悩んでしまいます。でも、とっても素敵な絆作品なんですよ(力説)。



1巻〜4巻までの表紙裏

表紙をめくると1巻から順番にR、K、L、Lという大きな文字と共にリヴィア、クイファ、レトラ、リオンが描かれています。
それぞれの頭文字になっているのが分かるんですが、4巻のリオンが実は結構謎だったり。1〜3巻まではサヤビトを描いていくんだろうなぁと思っていたら、リオンが登場しているんですよ。リオンってサヤビトに含まれるの??とず〜っと頭を悩ませています。サヤビトのようなそうじゃないような・・・。謎の存在です。


ちょっと紹介が遅れましたが、タイトルにもなっているサヤビトというのは人のようで人でない生き物です。作品では人造人間と紹介されていますが、造られたものだと分からないレベルで人間にしか見えません。物を食べます。笑います。泣きます。ただ、人と違うとすれば、アドと呼ばれる自分の主人と契約をしていないと生きていけないことです。逆にそれがサヤビトと人間との間にある”絆”を強調しているように思います。あと、サヤビトは戦うために造られたことを補足しておきます。いざという場合にアドを守るべく〜というか、本当に戦わせられるためだけに剣を出します。
前述した、リヴィア、クイファは主人公コンビであり、且つ史上初のサヤビト同士がアドというコンビ。存在自体が不可思議な二人組らしいです。3巻表紙裏のレトラも重要なサヤビト。で、リオンは・・・何なんでしょうね。本当に不思議。剣のようなものを出したかと思えば、アドがいないんですよ。サヤビトたちの部長であることくらいしかよく分かっていません。



そして、今月に出た5巻の表紙裏。





うわ、怖っ・・・。
どこか精神が不安定になりそうな表紙裏ですが、このAを司るアンの話が本当に泣ける。いや、泣けるというか辛くなるというか・・・。
そのアンの話もあるんですが、少し気になるのは、アンの後ろに描かれているマークがひし形なんですよね。これってリオンと一緒だなぁと。何か理由があるんでしょうか。リヴァイ、クイファ、レトラが楕円なのにね。6巻あたりの表紙裏で何か分かればいいですが・・・。ここまで書いといて、何となくって理由だったらどうしよう。



さて、そのアンのお話がメインだった5巻です。



リヴィアとアン

わあ、可愛い(*´∇`*)
俺もそのコチョコチョに混ぜてくれー!と雑誌のときから思ってたんですけど、どうやら無理らしいです。二次元と三次元の壁は大きいらしいです、くそっ。
アンはリヴィアが過去に出会ったサヤビトです。最初はすごく泣いてばかりの女の子でしたが、すぐに二人は仲良くなります。ただ、二人の別れもちょっと早かったり・・・。



アンとリヴィアのアド(クソ野郎)

4巻の時点でリヴィアの過去のアドについて語られています。リヴィアに一度殺されたそうですが・・・。
その元アドでもあるゴドフレードがリヴィアとアンに施したのが、「殺したサヤビトの力を取り込む」というもの。不定期に現れるサヤビトを殺しては自身の身体にもう1つの人格が入り込んできます。なお、アンに至ってはリヴィアと出会う前に27人(アンを含む)。リヴィアが1人目(アレッサンドロ)を取り込んで、夢の中が不安定になったのを見るに、27人分もの夢を取り込んだアンは・・・。
アンはいつしか色んな境界が曖昧になり、自分が自分じゃなくなっていく感覚に襲われていました。ただ、アンはそんな中でも、26人+アンの思い出を書き残していました。それが自分でいられる唯一の道しるべ。


そしてリヴィアに取り込まれるアン・・・

正直、雑誌を読んでいた時「えっ」って言っちゃいました・・・。あと、普通に泣いてました。実際のところグフタで泣ける数少ない作品ですからね。このアンとの話を読んでいると、5巻帯文の「泣けるファンタジー・バトル・ロマン!」というのにも納得です。ただ、話題沸騰しているというクリエイターが誰なのかは分かりませんが・・・。
元々、そのサヤビトを取り込む戦いでは何故か顔を隠して戦わされています。この時もアンだと知らずに戦わされ、結局リヴィアが勝ってしまいます。リヴィアにとって初めての友人・アン。アンにとって唯一の理解者であるリヴィア。何の因果か、その大切な友人を自分の手で殺してしまったリヴィア。アン他27人もの意識が入り込んでしまったリヴィア。


初期リヴィアはそれほど泣くような子ではありませんでした。どこか一人の食事をつまらなさそうにする女の子でした。アンを殺し、泣き虫アンの性格も合わさったせいか、今の情緒不安定なリヴィアが誕生しています。強気のリヴィアが泣いている時って、もしかしたらアンが出てきているのかもしれませんね。
この後、さらにサヤビトにとっての禁忌でもある「アド殺し」をしてしまいますが、ほとんどアンがやったようなもんですからねぇ・・・。これも今のリヴィアを不安定にさせる一因かもしれません。




その後クイファと出会い・・・

アド殺しをしてしまったリヴィアとクイファが出会ったのは偶然か必然か。クイファの説得(?)で生きることを決めたのは非常に良いことです。
しかし、クイファというサヤビトは一体何者なんでしょうね。すぐ死んじゃいそうな人間が好きだという発言。アドが死んでもケロっとしていたり。自分を出来損ないだと言ったり。リヴィアを守れているのを考えるとある意味特殊なんだとは思いますが・・・。そういえばクイファの過去って出てきたことがないですね。この先描かれることを期待したいですが。



湖のほとりでクイファの胸の中で号泣したリヴィアを忘れません。
読んでいると心が晴れるような明るい作品ではないことは事実です。*2ただ、それが絆というテーマや、伊咲先生のキレイな絵柄を考えれば武器みたいなものだと思っています。一度、グフタを読んでみて下さい。この泣けるファンタジーはグフタのオンリー1です。
現状、グフタ作品で一番巻数の多い同作品。伊咲先生もよくこれだけ描くなぁと関心しきりです。アニメ化してほしい作品だったりしますしね。隔月だと厳しいかな??あとは5巻までに散りばめられている伏線がどうやって回収されていくのかが楽しみです。リヴィアの話が一定の終わりを見せた分、残りはクイファの物語がどうやって描かれるか・・・。まだまだ楽しみな作品です。




どうでもいいけど、リヴィアとリヴァイ(進撃)ってタイプミスしそうで怖い。

*1:どうでもいい話ですが、路地恋花と一緒にしようと思ってたら思いのほか路地恋花が長くなったので別枠で書いてます

*2:編集さんあたりにも同じことないし、もっと厳しく言われてるんじゃないかな??