敵か味方かエレン・イェーガー「進撃の巨人・第25話」(※ネタバレ注意)

改めて諌山先生・・・「進撃の巨人」の講談社漫画賞受賞おめでとうございます。去年から今年にかけて、まさに”この作品しかない”という受賞でした。こんな場所からですがお祝い申し上げます。今月の別マガに諌山先生の勇姿を見ることができますんで是非どうぞ。



○アルミンの目に見えるものは?
さて、その進撃の巨人ですが、調査兵団編に入ってから混沌を極めています。まず1つにアキ子(仮称)こと女型巨人の登場が挙げられます。エレンを護衛しつつ展開された長距離策的陣形を崩し、何人もの仲間を殺しては走り続けています。そして、今月はついにエレンとも遭遇しています。これは完全にエレンのストーカーか何かですよ。



エレンのストーカーはミカサで十分なんだけど・・・

ジャンから「ワケ知り顔」と言われたアルミンが、どの程度の事実に気付いているのかが気になりますね。アキ子に顔を確認され生かされているという点。アキ子に対して「死に急ぎ野郎が殺された」と言った点。もちろんこの”死に急ぎ野郎”はエレンのことを揶揄していますが、わざわざ”右翼側でエレンはお前に殺された!”と言ったにも関わらず陣形の”中央後方”へとアキ子は走り去りました。アルミンが”中央後方”という推測を立てたのはジャンとライナーに出会った時のみ。そしてその情報を共有したのも3人のみ。
・・・実に不思議な話です。23話の中にアキ子が方向を変える何かがあったんでしょうかね・・・。エレンが死んだと叫んだアルミンですら「なぜエレンのいる方へ?」と言っていましたねぇ。


進撃の巨人はかなり練られている作品だと思っています。決して諌山先生は無駄玉を撃つ人ではないと確信しています。先の「死に急ぎ野郎」もわざわざ4巻において強調されていました。



無能な上官は殺されるらしいよ

よくよく考えるとジャンの発言が特に重要な気がしてきました。死んだマルコの立体機動装置がなかった」という発言、「死に急ぎ野郎」も何か謎があるのかもしれません。そう考えると、今回の冒頭での指揮官は殺される云々も何かあるのかな?ただ、現場にまともに出たのはこれが初なので、ジャンが上官を殺したということはないと思いますが・・・。まぁ、ジャンとライナーがアルミンと合流した際に上官と一緒じゃなかったのは事実ですけどね。
ただ、エルヴィン団長が出世のために上官を〜という話の方が面白いかもと思っています。どちらにしろジャンの発言から目が離せなさそうなのは事実です。






○巨大樹の森へ入った理由は何?



エレンたち以外は待機です

エルヴィン団長やエレン、リヴァイ兵長たちのみが巨大樹の森へと突入し、それ以外は外で待機しています。それにしても巨大樹でかいなぁ・・・。隣接する木が小さく見えるほどに巨大です。巨大樹の成分が巨人化の薬に関係してたりしてね。そう思わせるほどに巨大です。なお、ジャン曰く観光名所らしいです。
しかし、エルヴィン団長の思惑がどこにあるのかが分かりませんね。壁外調査に出てから一切エルヴィン団長の考えが出てきていません。新人の入団時からそうですが何を考えているのやら・・・。


音響弾をぶっ放す!!

分からないと言えばリヴァイも謎ですね。エルヴィンを信じているからの行動なんでしょうが、そもそもエルヴィンが何を考えているかまでは把握していないのかも??把握していないと言えばリヴァイ班がリヴァイの考えを把握していないというのも気になりますが・・・。
そして、この音響弾ですよ。撃った後に「エレンを傷つけないことが最優先事項」と言っているのに、下手をすればアキ子を誘き寄せる行動です。まぁ、既に見つかっているというのもあるんでしょうが、もしかしたら身近にいる敵にすら場所を知らせています。いや、リヴァイ班以外に聞かれたくない話をしようと思ったのかも??そういう意味では”傷一つ付けない”という言葉に理由があるかもしれません。






○エレンさんが怖いんです><



変身しちゃいけません><

エレンという存在は希望かそれとも絶望か・・・。人類を救う鍵としての希望であり、身近にいる人間からすればおっきな爆弾でしかありません。少なくともミカサを攻撃したという事実は、エレン=巨人ということを示しています。本当にエレンを信じている人間がどれほどいるのか・・・。少なくとも今月号の話でリヴァイ班が半信半疑であることは理解できました。



いきなり変身しちゃった、てへっ

今月号の話の中に回想シーンとしてエレンの巨人化実験が行われていました。巨人化してもリヴァイたちで抑えられるかの実験でしたが、その実験自体は失敗に終わっています。エレンが自分の意思で変身できず、その後、急に食事中に変身してしまいました。


落ち着けお前ら

この落ち着けとリヴァイが言っている相手はリヴァイ班の面々に対してです。
実は変身実験が失敗したときにホッとしたのはリヴァイ班です。実験がダメなままでもいい、エレンが変身できなくてもいいと思ったのではないでしょうか。リヴァイ班の強みはリヴァイです。しかし、リヴァイが強いだけです。自分の命を守ることを最優先に考えた場合、いくら精鋭部隊といえどもエレンの近くは嫌に違いありません。
それなのに急にエレンが人類の敵に変身した=自分の命が危ない?となった時、エレンに敵意をむき出しにするのは至極当然です。同じ屋根の下で生活している間も、もしかするとリヴァイ班の誰かがエレンを殺そうと思っても不思議ではないですね。こうなるとエレンの味方って全然いないんじゃないかと思えて悲しくなります。


そんなことを考えていると、ペトラが変身しないでと言ったのも何ら不思議じゃありません。あの顔はエレンに対しての恐怖だったかもしれませんね。ただ、この作品の特性上、もしかすると変身させない本当の理由なんてのがあるのかもしれませんけどね。そもそもリヴァイたちがアキ子を討伐しない理由がサッパリなので、やっぱり何か理由があるかもしれません。そこは来月号の話の流れに期待したいものです。






○エレンゲリオンになれない!?



真っ赤っか!!

これまでエレンゲリオンになるためには「自傷行為」があればいいとされてきました。しかし、今月号のエレンは自傷行為を繰り返しているのに変身できませんでした。そもそも自傷行為はエレンが変身のために必要だと知っていた唯一の行為です。


初めての変身in胃袋



ミカサとアルミンを守るための変身(2回目)




大岩で穴をふさぐための変身(3回目)


そういえば初めての変身では別に自傷行為をしたわけではありませんでしたね。確かに片腕はありませんでしたが、”自傷”じゃなくてもよさそうです。むしろ、「怪我をする&変身したいと思う」方が有力かもしれません。もしかするとリヴァイの「エレンを傷一つ付けさせない」という発言もそこから来ているのかと思ってみたり。
まぁ、どちらにしろ今月号で変身できなかった理由がサッパリ分かりません。人が近くにいないとダメ?巨人が近くにいないとダメ?怖がってちゃダメ?もしくは・・・暗いところではダメ??いやいや全ての考えが不確実すぎます。
変身に関する唯一の情報はエレン父の発言のみ。思い返すと「使い方は彼らの記憶が教えてくれる」「この力を支配しなければならない」という言葉だけです。ここから導くことができる答えは・・・何だろう?既に迷宮入りです。完全変身と不完全変身という差も気になりますしね。謎は深まるばかり・・・。







あ、そういえばベル・・・ナントカさんが出てきてました。




死んでるんじゃないかと心配してたところです。あとは、ソバカスさんがいないくらいでしょうか。ベルトさんとソバカスさんは存在が謎になりつつありますね。もしかして何か鍵を握っていたりして・・・。
とりあえず来月号はそろそろアキ子さんの正体が知りたいところです。どこまで描いてくれるのか気になりますが、そろそろ1回くらい諌山先生を休ませてあげてもいいのに・・・と思ってもいるんですけどね。雑誌的には許さないでしょうけど。頑張ってもらいたいものです。