全部まとめて青春です「BUTTER!!!」

どの雑誌でもショートのギャグって大切な要素だと思います。ある時は腹を抱えて笑わせてもらったり、雑誌を読んでいるときのちょっとした箸休めになったり。ショートで質のいい漫画が載っている雑誌はいい雑誌だと思います。
そういえば最近の講談社漫画のアニメ化(ユルアニ枠)で先陣を切らせたのは、アフタヌーンのショート系でしたね。江古田ちゃん、ハトよめプ〜ねこ。普通にアニメ化すればいいのにとも思いましたが、これらの作品が選ばれた理由がきっとあるんでしょう。さらに、アフタではショートが続々と増えてきており、雑草女、幼軍隊、じゃりテンはとってもいいですね。あと、第1巻が出たばかりの「侍父」もいいです。



父娘による朝のお稽古

妻に先立たれ、残った娘を一生懸命育てる父親の物語。フンドシ、剣の素振り、和服姿、髪を結んでいる。こういった姿から侍を彷彿とさせますが、物語自体はものすごく現代です。ただ単に父親が硬派なだけです。・・・あれ、侍って硬派に分類されたっけ?
まぁ、そんな時代錯誤な父親なだけに、娘にも大和撫子らしさを求めます。娘を悪いものがから守りつつ、現代という恐ろしい敵を前に父侍の奮闘が光る作品です。中にはエロ未亡人とか巨乳保母さんといった誘惑もあったりなかったり。娘云々の前に父親が初心すぎてどうしようもない作品になっているんですけどね・・・。



要所要所で他の漫画作品をネタにする話があるのも見所です。




さて、アフタヌーンといえばヤマシタトモコ先生のBUTTER!!!ですよね。こちらも最新刊が出ています。



3巻はゲッツと掛井くんが中心!!


夏と端場が中心だったこれまでの話から、ゲッツや掛井くんが話の中心として出てきました。誰しも悩みやコンプレックスはあるものですが、それを解決できるのは自分自身だけですし、それを後押ししてくれるのも友人・仲間によるものだなぁ・・・と。
ゲッツについては、女の子にしか分からないような内容なのかなと思ってしまうんですが、他の男性の皆様どうでしょうか。見た目でも可愛い・キレイだなと思う女の子でも「自分の容姿のここが嫌だ」って言うのを見ます。全て個性なんだけどなぁと思いつつも、理想と現実というものがあるんでしょうね。ゲッツは自分の身体の大きさに悩んでいましたが、長身の女性も素敵だと思いますよ?俺は小さい子の方が好みですが(おい


ゲッツは可愛いの?

男性と女性では色々考えも違いますが、とりあえず端場氏のこの発言はないですね(笑)。こういう発言は裏で言ってください。女性の前で言うとロクなことがないぞ!!ただ、こんなことを言うような端場氏が、実はゲッツに裏で勇気を与えていたというのも面白いです。1巻や2巻で見せた端場氏の成長がゲッツを後押ししていました。
また、夏が言っているようにゲッツの自己への否定は、ゲッツを好きだと思う人間すらも否定しているという発言に納得。まぁ、常に自分はダメだダメだって言ってる人・・・多いですけどね。良いとも悪いとも言う気はありませんが、この話を読めばゲッツが変わろうとした姿は印象に残るんじゃないでしょうか。


一方の掛井くんについては、家庭事情が絡んでいました。他人とぶつかってばかりの兄に嫌気がさし、自分は誰とも波風を立てないよう振舞っていたそうで・・・。ヅカ好きなせいかちょっと演技が入っていたかもしれませんね。



仲間だからこそ言えることがあるわけですよ

自分でいうのも何ですが、どちらかと言えば掛井くんと同じ”要領のいい”人生でした。浅く広くな生き方をしていたなぁとちょっと反省しています。掛井くんのように周囲に何でも話せる、見せることが出来る仲間がいるならそうした方がいいですよ。
友達と”うまくやる”なんて何で思っちゃうんでしょうね。若いんだから全力でぶつかってぶつかられた方が面白いと思います。それも青春かなぁ〜と。





楽しさに上限はない

3巻にポンと出てきたこの「楽しさに上限はない」という言葉がとても心に残りました。ああ、確かにそうだなぁ・・・と。ダンス部を中心にした作品になるわけですが、ダンスをやるなら楽しまなきゃ損だよねという根本を現しています。”好きこそものの上手なれ”なんて言葉もあるとおり、楽しんだ者勝ちですよ。
この作品に出てくる若者は三者三様、十人十色な悩みを持っています。恥ずかしさや人にどう見られるかに縛られた夏。オタクであり、何かよく分からないけど、本当によく分からない端場。容姿に対しての謎のコンプレックスを持つゲッツ。本性を出さない掛井。帯文で「いま一番共感を呼ぶ青春漫画」と書いていますが、確かにどれかには引っかかりそうだなぁと。青春なうな若者も、青春を懐かしむおっさんたちも、青春を見つめることができる作品になっています。自分自身について悩むのも、部活で頑張るのも、人と係わり合い、人を助け助けられ。そんな要素が全部全部詰まって青春だなぁと思う作品です。






おまけ




とりあえず、掛井くんは分かってるわー。