戦術系サッカー漫画のススメ「蹴児−ケリンジ−」

W杯予選。日本対北朝鮮はギリギリながら勝てました。これでザッケローニ監督になってから負けなしの状況が続きます。アジアとの戦いの場合、相手が確実に下がってしまうのでやりづらいんですよね。非アジア系だとがっぷり四つで、日本の良さが見いだせるのに・・・。そういう場合にはフィジカルでゴリゴリできればいいんですが、本田もおらず、なかなか苦労したようです。まぁ、勝ったので万々歳ですね。

こう言うと上から目線でちょっと嫌なんですが、ようやくサッカー漫画に日本サッカーが追いついてきたかなと思ってしまいます。

最近のサッカー漫画で楽しみにしている、読む価値あるなと思わせてくれる漫画がいくつかあるんですが、その筆頭がGIANT KILLINGです。監督が主人公という特殊性。チームがどうあるべきか、そして必殺技が出ないリアルなサッカーを見せてくれます。達海監督は相当なモチベーターだなぁと思います。何だかんだでサッカーもメンタルスポーツ。選手たちのやる気を引き出す術を持つ達海の手腕には毎度驚かされます。いい漫画です。
もう1つは某サンデーでやっている「BE BLUES!」。元々、作者さんが好きなのもあるんですけどね。天才が這い上がる姿を毎週楽しみにしています。熱い。サッカーをしている姿が非常に熱い。久しぶりに「サッカーがしたいなぁ!」と思った作品です。あーあと・・・講談社さんごめんなさいね。


それと、まだまだマイナーサッカー漫画の域を出ていませんが、イチオシのサッカー漫画があるんですよ。それは月刊少年マガジンで連載中の「蹴児−ケリンジ−」です。



絶対勝ちたい系男子

メガネをしたこの冴えない男が主人公の田村蹴児です。根尾井学園に新設されたサッカー部と、そこに招聘された名伯楽・円監督に憧れ入部します・・・が、基本的に田村は運動オンチ。そして、一番重要だと思われた円監督もサッカー部始動数ヶ月で死去。さらに死ぬ間際の円監督が指名したキャプテンが田村。運動オンチがサッカー部を仕切る???そんな冗談のようなサッカー漫画が蹴児です。

どういう漫画なのか・・・。これを端的に言うと「運動オンチのキャプテンが戦略でチームを引っ張る」漫画です。



田村はピッチ外のMVP

既に3巻目が出ていますが、基本的に田村は試合に出ません。というか皆から出させてもらえません。それはキャプテンたる自身も理解していることではありますが、どこの高校サッカー漫画で”試合に絶対に出れない主人公”が出てくるでしょうか。



そんな彼が持つ特殊な能力は「チームの戦略を立てる能力」です。サッカーが下手な田村を見下していた周りの選手も、この力だけは認めています。
敵チームの監督やスポーツライターも「まるで円監督のようだ」と揶揄するほど。円監督は片足がなく、いつも「足が無い分、脳味噌に働いてもらわないと」と言っていたそうです。田村も運動能力の分、頭の中を大回転させています。試合中に発想する戦術や工夫された練習。本当は試合に出たいんでしょうけど、それでもチームを強く、自分のチームを勝たせたいという欲求が見えます。


ただ、3巻では部から愛好会へと格下げされてしまいます。まぁ、そこから色々と反逆が始まるんですが、そこは是非読んでいただいて・・・ね。戦術でアッと驚いていただきたいので、そこは是非読んでいただいて・・・ね。




パンチラとかあるし、是非読んでいただいて・・・ね。イチゴパンツとか見ていただいて・・・ね。



少し補足しておきますが、この作品の売りは戦術ともう一つ、キャプテン田村の熱意だと思っています。一度も試合に勝ったことがない人間であり、自分がチームに参加できないこと、そんな諸々のことへのあきらめの悪さが彼のサッカーの熱意を作り上げています。
そういえばジャイキリのサックラーに似ているかもしれませんね。彼は社会人くずれでサッカーチームへと携わっていきましたが、田村は高校生にしてチームをまとめなければなりません。もしかすると田村もプロチームの監督になったりして・・・と思いつつ読んでいます。あるいは、チームの数少ないメンバーが怪我をして自分も試合に出たりしてね。とりあえず3巻にしてまともな試合に田村は勝ったことがありません。もし、本当に勝てる日が来たらその時は俺も一緒に喜びそうな気がします。むしろ、ずっとそういう漫画であってほしいなぁと思います。オススメ。