学園を作る物語から人類の存亡をかけた戦いへ「超人学園〜混沌魍魎青春事変〜」

別マガといえば進撃の巨人と言われていますが、雑誌派からの評価が高い作品って実は他にも色々あります。特に諌山先生と同じ新人でもあり、最強の痔持ちでもある石沢庸介先生の超人学園は雑誌派からはかなり愛されている作品だと思います。このブログでも講談社雷句誠じゃないの?と言い続けている超オススメ作品です。



○ようこそ超人学園



主人公・神冗徒無(シンジョウアダム)

この作品は超主人公体質を持つ主人公の神冗徒無が、異能を集めて皆が楽しめる学園を作ってしまえ!というヒラメキから始まっています。基本的にはアダム自身は戦闘能力がなく、ただただ超常現象を惹きつける(引き起こすわけはない)体質なだけです。まぁ、普通の人からすればいい迷惑な存在ですが・・・。
そんなアダムの下へ、悪魔や暗殺者、喋る犬、ロストテクノロジーといった者(物?)たちが集まります。普段は周囲から蔑まされることも多いメンバーですが、だからこそ友情や愛情に飢えた存在でもありました。そして、それを優しく熱く迎え入れたのがアダムだった・・・というわけです。そりゃあ学園になっちゃいますよねぇ。


初期は世界最強委員会と呼ばれる組織から狙われていましたが、何故そんな組織があるのかという点が不明のまま進んでおり、いつしか争い事に発展していきます。一番モメたのは、委員会に属していたソメイ・ヨシノを学園に迎え入れたいという提案。もちろん委員会側が了承するわけもなく、アダムたちが委員会に殴りこみに行きました。



世界最強のサイボーグ ソメイ・ヨシノ

もちろんヨシノ自身も学園側に行きたい気持ちたっぷりだったんですが、委員会に与えてもらった(サイボーグとしての)命に恩義を感じつつ、さらには委員長への感謝の気持ちから踏ん切りがついていませんでした。最新の5巻ではようやく学園に入ります。


余談ですが、このソメイ・ヨシノ。某マガジン系雑誌の新人レースで読み切りとして描いた作品の登場キャラだったりします。



昔のソメイ・ヨシノ

今も昔も命令に忠実なところは変わっていません。まぁ、絵柄って・・・結構変わるもんですね。ただ、話の作り方に対する姿勢は一切変わっていないのがとても好感が持てます。なんてもの(画像)を掘り起こしたんだと怒られかねませんが、石沢先生の痔の具合に比べれば可愛いものです(←?





・・・と、ここまでが超人学園としての物語の第1段階。そして、ここから新たな局面を迎えていきます。次の敵は・・・妖怪???




○現れる本当の敵



百鬼夜行

人と人のつながりを大切にする超人学園としての物語は、人類の存亡をかけた戦いの物語へと急変していきます。そもそも世界最強委員会は何故存在したのか。ずっと隠されたままで話が進行していたのですが、実は妖怪・幽霊・悪魔から人類を守るために集められた組織でした。数は少ないながらも強力な力を持つ、人ではないものに対抗するべく最強の人類をかき集めていたのです。


今回襲ってきたのは妖怪。そしてこの世で2番目に強いと言われる妖皇ぬらりひょんのすけ



ぬらりひょんのすけ

人間一人の強さが100なら、ぬらりひょんのすけは8兆だそうです。強いというか、数字が大きすぎてよく分かりません。8兆なんて数字めったに見ないですから・・・。日本政府の借金やお味噌でしか聞かない言葉です。そんな相手に対し、全く歯が立たない人類。世界最強委員会といえども妖皇相手には分が悪い様子。



そもそも何で妖怪が現れたのかという話になるんですが、アダムという主人公体質は様々な奇奇怪怪を呼び寄せます。しかし、それまでに妖怪の類まで引き寄せたことはありません。そこには世界最強委員会の委員長の体質がかかわっています。



委員長は超ヒロイン体質でした

主人公とヒロインが集まったら大変なことになった・・・というわけです。ちなみに委員長の能力はその可愛さで人を傅かせることができます。その能力で妖皇を弱体化させます。





しかし、それでも歯が立たない。委員長によるファーストキスによる能力のゼロ距離射撃をしても勝てない。そんな状態を歯がゆく見つめるアダム。応援するしかできない、ましてや事象を引き起こす張本人としての存在でしかないアダム。誰よりも仲間を大切にするアダムにとって、それは最も辛いことでした。





・・・そして暴走した。








闇と化したAdam

その力はぬらりひょんのすけを圧倒します。
ただ応援するしか能のない男かと思われていたアダムのとんでもない隠し玉。本人も力を制御できない、ただ暴れるだけの存在になっています。ぬらりの撤退後も暴れ続けますが、どうやって止めたかは読んでいただければと思います。とても超人学園らしいものです。





○それは神の能力
ぬらりひょんのすけが委員会を襲った理由。それは委員長とアダムの能力にあります。神の能力とも揶揄される力であり、妖怪が欲した力には謎が残ります。今さらですが委員長の名前がイブなんですよ。アダムとイブという二人が神の能力を持つわけですが、アダムの解放された力を含めて今後語られるでしょう。
謎といえば、まだ出てきていない悪魔と幽霊の存在も気になるところ。ぬらりひょんのすけが2位だと言われているので、少なくともトップ3に悪魔と幽霊が存在していてもおかしくないと思われます。


そんな相手でも超人学園と最強委員会が手を組めば何とかなる??


余談ですが、5巻の帯文の「お前を、取り戻す。」という文章が好きです。いつもはアダムが周囲を引き寄せてばかりいましたが、今度は暴走したアダムを元に戻す、取り戻すんだと、力いっぱい言っています。表紙の力強い目に、これが超人学園だなとグッときてしまいます。
一度読めば好きになる??雑誌でも読みたくなる??そんな魅力ある作品を描く石沢先生(痔持ち)の作品を是非どうぞ。