噂のカジノ編突入!!お金を扱うことも大人になるために必要です「マルドゥック・スクランブル」

皆さんはマルドゥック・スクランブルを知っていますか?日本SF大賞を受賞した沖方丁先生の小説で、アニメ映画にもなっている作品です。残念ながら小説をあまり読まない人間でして、映画の方もですね・・・見ていません。
じゃあなぜ知っているかというと、別冊少年マガジンで漫画化されているからです。作画は大今良時先生。記憶では女性だったかと認識していますが、さらにはお若い新人さんであったかと思います。連載2号目から目玉の一つとして連載が開始し、当時は「へぇ〜、そんな小説があるんだ」程度でしたが、これがなかなか面白い。だからといって小説を読まないあたり自分らしいなと思ってみたり。




主人公・ルーン=バロット

主人公は元娼婦であった少女のバロット。シェルという悪い男に騙されて死にかますが、何とか一命を取り留めます。その時に全身に人工皮膚が移植され、復活(?)した時には普通の人間ではできないような身体能力を身につけていました。さらには、周囲の電子機器を操ることも可能となっています。現在はシェルを追い詰めるために、ウフコックとドクターと共に捜査を続けています。
現在、シェルを捕まえる手がかりである100万ドルチップを手に入れるためにカジノに潜入中です。それまではかなりドンパチの多いシーンや、かなりグロいシーンも多く、ぶっちゃけそれほどハマっていませんでした。むしろ娼婦であったというバロットの設定から、初期は敬遠気味でもありました。しかし、最新5巻のカジノ編では、人が死ぬような描写もなく、さらにはバロット自身の成長物語が描かれています。




ちなみに初カジノです

どうやらカジノ編は原作の中でも特に面白いらしいです。というのも、作者たちも5巻の中で「ついに来ましたカジノ編!」と煽っていたのを含め、色んなサイトさんを見る限り評価が高いシリーズらしいというのを見かけました。
その噂に違わないレベルで”カジノ編は面白い”です。元々嫌いな作品というわけでもありませんでしたが、カジノ編で好きな漫画になったと言わせてください。


もちろんカジノという舞台でのギャンブル性もありますが、バロットの無理を成功に導いていくまでの過程がいいですね。5巻ではポーカー、ルーレット、ブラックジャックを連続して行っています。パートナーのウフコックに色々と教えてもらいながら、イカサマだろうと何だろうと倒していくバロック。序盤のディーラーがグルになったイカサマポーカーも制し、お次はルーレットへ・・・。




一流のスピナーであり大人のベル・ウィング

スピナーのベル・ウィングとの熱い戦いが5巻最大の見所でしたね。手に汗握るというよりは、バロットがベルを徐々に徐々に追い詰めていくまでの疾走感がたまりません。
ベル自身もわざわざバロットと真剣勝負しなくてもいいのに、一人の少女に自分の過去を重ねて熱くなってしまいました。どの位置にでもボールを落とすことが可能なスピナーが、自分の落とし位置を読まれてしまうまでの様子はかなり見もの。さらには負けた後の振る舞いまでもが惚れ惚れするほど素敵・・・。



あんな大人になりたい

どんな場面でも自分の力を信じ、毅然と振る舞える大人になりたい。銃弾が飛び交うような物語の中で出会った理想の大人像、ベル・ウィングのような未来を持ちたいと願ったバロットの初めて見せる表情が色々と期待を持たせてくれます。あと、どうでもいいけど、このシーンのバロットが超可愛い。




カジノ編にしてようやくマルドゥック・スクランブルという作品の真髄を見出した気がします。って、ちょっと・・・遅いですかね!?変態ばかりが登場してきたそれまでとは異なる流れがとても興味をそそります。現在やっているブラックジャックから、そしてその次の戦いがどうなるか非常に楽しみです。どうやらもう一段盛り上がるようなので・・・。
某進撃に別マガの話題を持っていかれていますが、本当はマルドゥック・スクランブルが看板になっていたはず??思い出してみると、編集部のプッシュが結構あったような気がします。あっさり読んでいましたが、よくよく調べると話題作ですもんね。原作との対比をしてみるとまた一層面白そうですが、そこはあえて読まずに漫画版で結末を楽しみたいと思います。果たしてどんな結末を迎えるんだろう・・・。