「ブッシメン!」神漫画ならぬ仏漫画でした

イブニングで連載中の「オールラウンダー廻」の最新刊が出ています。修斗を始めた青年の物語ですが地味に熱いです。特に6巻の試合は相手も強豪だったこともあり闘争心が煽られました。いや、俺は誰とも闘いませんけども。




余談ですが、帯文を進撃の巨人の作者でもある諫山先生が書いています。諫山先生も格闘技好きということで、オールラウンダー廻の遠藤先生と仲が良かった・・・はず。漫画家の人でも格闘技好きって多そうですよね。



いきなり余談ですが、映画で手塚治虫先生のブッダが今月末からスタートだそうな。休日に外出するのなんて映画しかないんですけど、せっかくなのでブッダも見に行きたいなと思います。一時期(今も?)、仏女なんて言葉が流行ってた気がしますけどこれを機に仏界(?)が熱くなればいいですね(なんのこっちゃ
仏様を扱った作品としては、モーニングツーで連載している「聖☆おにいさん」もブッダが出てきますね。また、上で紹介したオールラウンダー廻と同じイブニングでも「ブッシメン!」という作品がイム漫画を連載中です。ブッシメン!についてはむしろ「仏像+フィギュア」なお話ですが・・・。



仏師見習いの奈良崎玄造

亡くなった父と同じ道を歩もうとする主人公の奈良崎玄造。父親は高名な仏師(仏像を彫る人)であり、忘れ形見の玄造は父の死因となった火事からずっと仏師としての修行をしていました。人から評価してもらえるようになったものの、父親が自分に残した最後の仏像の記憶を追い続ける毎日・・・。



父親がつくったものとは・・・一体

タイトルからして仏師を表していますが、この作品では仏像についての基礎知識を素人でも分かりやすく説明しています。仏様の名前についてはもちろん、姿勢や表情などについても詳述しています。仏像に興味が無くても楽しく読める一冊ではないかと・・・。
それだけ詳しく書いているということは作者の小野洋一郎先生も勉強したのかな?と思ってみたり。もちろん登場人物、特に主人公から仏像愛が伝わってきます。それだけに父親が最後に残した遺作が何だったのかと問い続けます。




まぁ・・・







末法警察ゼン

アニメのキャラなんですけどね^^
玄造の父親が残したのは子供のために造った仏アニメのキャラでした。末法警察ゼンは玄造が子供の頃に流行った仏アニメのことで、玄造の小さい頃はかなり人気があったようです。楽しいこともしてやれない玄造の父が、親心で遊び道具を与えてあげたものです。ただ、その事実をあの場所で気付くとは思いもしませんでしたね(←皆もきっと大好きな・・・




遺作は末法警察ゼンを彫ったものだったわけで、またまたひょんなところから玄造はそのゼンのフィギュア製作に携わっていきます。出会ったのは・・・仏像フェチ!!



仏像大好き三蔵法子(みくらのりこ)

フィギュアを手がける会社で新しい原型師を探していた法子の見つけた(見つかった?)素材が玄造でした。この出会いが玄造のフィギュアとの出会いであり、再度仏像について考える機会を与えていきます。法子は変態だけど目利きは一流。玄造という才能に惚れこんだ時点で二人の出会いは・・・奇跡?




まぁ・・・







ノリ子とゆかいなお花畑

変態ですけどね^^
妄想での法子が”もうしわけー”と言っているのが妙にツボです。基本的にこの漫画では法子が悦に入ってるシーンが多いです。ただ、それが妙に可愛いんですよ!!身近にいたら嫌だけど、ちょっと見ていたい気もします。
しかし、上述していますが法子の目利きは一流です。ダメな作品に対しては悦ることはありません。初っ端から玄造の仏像には妄想モード発動しています。ただ、玄造が作成したフィギュアには全く反応しません。





完成したゼン

重量感もあり荘厳な仏像しか作ってこなかった玄造にとっては苦労の多い作業だったようで。本来であれば崇められる対象としての仏像ではなく、見て楽しんでもらうフィギュアだったことも大きかったかもしれません。
実を言うと自分もあまりフィギュアという文化にも強くなかったりしますが、この作品ではフィギュア製作についても色々と描かれておりなるほど〜となる部分が多かったです。玄造にとってもそうでしょうが、仏像とフィギュアはまさかのコラボだったかもしれません。





玄造は最終的に、何を造るのであれ”仏の本質は願い”であるという境地に至ります。仏像を彫ることは誰かの願いと対峙することであり、その本質はゼンという仏を扱ったアニメのフィギュア化でも変わらないと悟ります。もちろんそんなゼンのフィギュアですから、法子の妄想モードも絶頂だったようです。



なかなか詳しく調べないようなテーマを扱ってもらうと、結構興味深く読めてしまいますね。特に、絵もいいのでクセになるかもしれませんよ。まさか仏像やフィギュアをテーマにした作品を興味津々に読もうとは・・・。何にせよオススメです。
あと、すごい漫画だなと思ったら神漫画!とか言ってしまいますが、こういった作品の場合はやっぱり仏漫画と言った方がいいんでしょうかね。・・・ブッシメン!は仏漫画!(神漫画と同等)。2巻、3巻と期待してしまいます。





どうも作者の小野先生は東北にいたようです。地震の影響も大きく、本当の発売日から1ヶ月遅れで発売しています。震災漫画が巻末に載っていますが、こちらも震災について知れて興味深いです。無事であったことが何よりです・・・。