絆は決して枷にはならない。そう信じずにはいられません。「サヤビト」

2011年で一番ショックが大きかった出来事は何ですか?と問われたら、「グフタのサイン色紙」応募に外れたことだと答えます。あまりそういったことには固執しない方なんですが、ちょっと・・・いや、かなり悔しい。ちくしょう・・・。
ちなみにサヤビトを申し込みました。きっと5千万人くらいはサヤビトを申し込んだに違いない。あながち間違った数字ではない・・・よね?




そんな大人気のサヤビトがもう4巻まで出ています。同じ日に発売したこはるの日々が2巻なのにね。そういや、サヤビトがグフタに載ってなかったことを思い出すことができない。創刊時にはいなかったと思いますが・・・。

これは戦いの道具として存在したサヤビトとその主人(アド)の絆の物語です。それぞれのサヤビトたちが、その消えない契約と共に悩んだり苦しんだりしています。「大切な人のために」という想いだけでも胸に来ますが、サヤビトであるという消えない”枷”がその印象をとても強くします。
正直、サヤビトと人間は何が違うんだ?というくらいに外見からは何も違いはありません。ただ、主人のために最後の最後まで仕えようとする契約に縛られているだけです。自分とあわない性格だったとしても、契約してしまえばそこにはサヤビトと主人の関係が成り立つわけです。そして、どんなものであれ、それが『絆』となります。





クイファの不用意な発言

なお、主人公のコンビは世にも珍しいサヤビトコンビだったりします。最近は人間と契約できない理由があるのでは?という気もしてきましたが・・・。
4巻ではリヴィアが黒髪になってます。黒髪ロング万歳!!とばかりに騒いでいますが、人を殺すことばかりであったリヴィアが本来とは違った絆を見つけたりする重要なお話でした。まだまだ”普通に”慣れない・・・といったところもありましたがそれも成長だと思います。
とりあえず、クイファは女心をもう少し勉強してきてもいいと思う。





若かりし頃の(?)サラ

コーヒー娘のサラにもこういう時代があったんだ・・・とちょっと驚きなお話も収録。全てを見下していた時代、父から自分のサヤビトを救うべくサヤビト研究にのめり込んでいくサラさん。今のレトラとは違うサヤビトではあるんですが、その元サヤビトが今のコーヒー中毒にした原因でもあります。4巻では一番、人とサヤビトの絆を大切にしていたお話でした。



絆・・・なんて言葉では簡単に言えますが、サヤビトと人との関係は人と人の関係とは違った重さがあります。その重さが悪い方向へ行きそうなのを象徴したのが4巻の最後のお話だったかもしれませんね。



謎の男 登場・・・

この作品で最も不安定なのって、実はリヴィアの性格なんだよなぁと思います。そして、その鍵を握る?のがこの謎の男なのでしょう。リヴィアを「戦う子」と評し、さらにはトーヴェ(殺す子)と呼ぶサヤビトを連れていました。クイファが不在で不覚にも負けたリヴィアですが、何か嫌な思い出が復活したようで・・・。まぁ、この謎の男がリヴィアの前の主人であり、リヴィアの不確定さを作った張本人なんだろうな・・・と。あまりよろしくないお薬を扱っていたりするだけに、むしろリヴィアの出生が気になるところ。きっと人を殺しに殺したんでしょう・・・。(こんな可愛い子に何をさせてるんだ、伊咲先生ェ。)



悪い意味で捉えてほしくはないのですが、この作品は何か全体的に不安定なんですよね。特に上に挙げたリヴィアがグラグラしています。さらに他のサヤビトもどこか不器用で・・・。読んでいると、もどかしくなってきます。全ては絆という枷が引き起こす結果です。その上で、絶っっっっ妙に作品のバランスを保っています。ぶっちゃけて本当にギリギリだと思うレベル。それもこれも枷が悪い意味ではなく、「誰かを思う(ちょっと不器用な)気持ち」が引き起こしているからだと思います。

何度も言いますが、バランスについては悪い意味はないです。よっぽど倒れている作品が目に付く中で、他のグフタ作品にはない圧倒的な物量と質を持った絵、絆を丁寧に描いているという点は読むに値します。ただ、時々世界観がよく分からなくはなりますが・・・。何だよ、南無三て。
まぁ、バランス云々は俺自身の感性なので参考程度ってことでwとりあえず、皆可愛いから許す!



可愛いと言えば、メイがもう本当に可愛い!!!可愛すぎてどうにかしちゃいたいレベル。




全ての仕草が可愛い。可愛すぎる。誰でもいいから俺とメイちゃんで薄くて高い本を作るんだ(お前とかよ


人と人。サヤビトサヤビト。そして人とサヤビト。色んな絆がこの作品には詰まっています。途中に書きましたが、誰かを想う気持ちがこの作品に深みを与えています。その気持ちは、絆は、きっと枷ではないんだと思います。そして、俺とメイちゃんとの絆がこの作品の鍵になる(お前のかよ・2回目




何度も言ってるけど、アニメ化してほしい作品ですよ!