別マガ産王道漫画のススメ「超人学園」

別冊少年マガジンの新人は進撃の巨人だけじゃないんだぞ!!ってのを言いたい。俺から言わせれば、進撃の巨人は変化球。鋭く曲がり、三振を取るだけの実力を備えていますが、漫画としてど直球というわけではないと思います。しかし、別マガにはそんな直球勝負を仕掛ける新人さんの漫画が存在します。それは超人学園です。




この漫画が本当に大大大好きです。別マガで素直に泣きたいなら、どうぶつの国を読め、超人学園を読め。一緒に講談社産の雷句誠を語ろうじゃないか。雷句先生の持つ「本気」のキャラたちと同じものがこの漫画で読めます。キャラたちが「本気」で喜んで泣く漫画です。まさに雷句先生が帯で「このマンガのキャラ、みんな泣く!読んでる私も思わず泣く!!」と語っている通りです。
雷句先生に似たにおいを持つ漫画家さんが講談社のオリジナルで準備できたということが既に奇跡。新人に限らず、全別マガ作品に負けず劣らず、「超人学園」という作品が別マガという雑誌に根っこを生やしたことが嬉しくてたまりません。


物語は「超主人公体質」という体質を持った神冗徒無(しんじょうあだむ)を中心として、そんな主人公的な徒無の周りに集まる、普段ならバケモノ扱いされる人や人じゃないものが集まって学園を作ろうとするお話です。
現在のところ、悪魔や喋る犬、殺し屋なんかも集まってきました。全員がこれまで人を愛しながらも蔑まれてきた面々です。そんな彼らを快く受け入れたのが徒無でした。皆、徒無が大好きで、徒無も皆が大好きなのです。ただ、それを良く思っていないところ(世界最強委員会)からの妨害があったり・・・。
で、3巻(正確には2巻終わり)では「超不幸体質」少女の豚野沙愛(ぶたのさえ)が登場。主人公みたいな人間が超常現象を起こす⇒沙愛が不幸な出来事を起こす⇒大災害というはた迷惑な状況を作り出します。



殺し屋さん豚のエサ沙愛

楽しいことを一切味わったことがなく、不幸な少女・沙愛の心はそれはもう本当に閉ざされたものでした。さらに、徒無とのペアを阻止したい世界最強委員会からの妨害もあり、徒無たちを傷つけまいと超人学園を離れていきます。それでも、沙愛を引き止める徒無たち。絶対に沙愛(=仲間)を見捨てないという想いで超人学園と戦います。しかし・・・




大量破壊生物オーパーツ

呼び起こしてはいけないものを発掘してしまいました。沙愛の体質からか、それとも沙愛の他を拒絶したいと思う心によるものなのか。途中までは学園対委員会という構図でしたが、オーパーツによって操られた沙愛と超人学園との戦いになっていきます。
愛すれば愛するほど他者を傷つけてしまうことに苦悩する沙愛。ただ、徒無たち超人学園からすれば、仲間が引き起こすことなんて不幸でも何でもないんです。それは自分たちも通ってきた道だから分かることなんです。一人ぼっちが仲間を得る。たったこれだけのことであっても、彼らからすればとてつもなく大きなことでした。それを沙愛に味あわせてあげたい。皆泣きました。沙愛も泣きました。


しかし、結果がお互いを傷つけあう方向に行ってしまいました・・・。





俺の仲間はそんな頼りがいのない、信頼できない奴に見えたのか!!

もうね・・・本気で泣ける。キャラも泣いてる。俺も泣いてる。「本気」だからこそなせる技です。たまんねー。別マガが生んだ王道のファンタジーを是非どうぞ。