今日は「水面座高校文化祭」な気分で

青春時代の中でも特に高校時代あたりを振り返ると、楽しかったことも辛かったことも色々あるんですけど、長かったような短かったようなとってもいい時間だったなぁと思うわけで。俺の場合は部活に力が入っていたように思います。まじめ(?)に勉強したり、友人と笑ったり。泣く・・・は性格上あまり無かったんですが、何でもない日常も今ではいい思い出です。
まぁ、こういう話をすると「そうでもない」と言う人が出てきますが、逆にそういう時間を漫画で取り戻せばいいじゃないか!!・・・と思うわけです。そんなわけで、good!アフタヌーンの「水面座高校文化祭」なんてどうでしょうか。




そもそも文化祭という響きがいいですよね。恋人のいる青春もいいでしょう。部活に燃える青春もいいでしょう。でも、1年でたった一回しかないイベントで、男女関係なくクラスの皆と何かをやろうとする”文化祭”って楽しくなかったですか?水面座高校文化祭は、そんな文化祭にスポットを当てた作品で、お話のぜーんぶが文化祭になっています。水面座高校で行われる文化祭を色んな視点で、そして色んな人たちの物語を楽しく描いている作品です。
もうぶっちゃけ文化祭って何でもアリじゃないですか?もちろん犯罪とかはダメですけど、本来なら勉強をしている学び舎がテーマパークに様変わりするんですよ。いつもは厳しい先生たちも、あまり何も言ってこない素敵な非日常が広がります。

そして、この作品では本当に何でもアリなんです。文化祭実行委員長・花屋敷都が取り仕切る水面座高校の文化祭は何が起きても大丈夫。それがもう楽しい状態になります。男子も女子も、学年なんて関係ありません。楽しんだ者勝ちの1日が始まります。その中には商店街の人たちも、動物も、幽霊やお化けも、ましてや死神なんてものまで出てきて文化祭を盛り上げます。



先生の愛の告白があってもOK

最新2巻の話の中で1番印象深いストーリーは先生の告白の話だったりします。子供のための1日の中にこういう風景があってもいいなぁと思ったのが理由なんですけど、俺も似たような歳だからってのもあるかもしれない・・・。昔を思い出すような漫画のはずなのに、現実を見せられるとは!絶望した!
男の先生はヘタレでピチピチスーツな・・・女子生徒から言わせれば残念な先生。女の先生はきれいで女子生徒たちにとっても憧れのような先生。全然釣り合いがとれないんですけど、女の先生が校内のスピーカーで「告白しに来なさい」って言うんですよ。でも、男の先生の方は死神に連れて行かれそうな最中で・・・。結局、戻らなきゃいけないという気持ちが勝って現世に戻り、告白にしに行きます。

この死神ってのが、実は女の先生の死んでいるお父さんが変装して出てきたものです。これが本当にいいストーリーなんだ。



他には生徒会長が初登場なお話もよかったですねぇ。



水面座高校の貴公子と生徒会長

あ、左の男装しているのが貴公子(♀)で、右の女装しているのが生徒会長(♂)です。何でもありだからって、こんなのもアリか・・・。



まー、自分の記憶のどこを思い返しても、この漫画みたいな記憶は出てきません。ただ、それが何でもありな文化祭の、さらに何でもアリな雰囲気を広げていています。逆にそれがいいんだ。無い思い出だけど楽しければ何でもアリだから!それが文化祭だから!!
最初の方にバラ色な青春時代じゃなくても・・・と書きましたが、もちろんバラ色な人でも楽しめます。辛いことがあっても、みんな、みんな、今日は水面座高校文化祭な気分で。