後ろにいるのは天使か悪魔か・・・。頼むから俺を蔑んだ目で見てくれ!「僕の後ろに魔女がいる」

SかMか?と聞かれて、素で答えるのが一般人。サイズの話?と聞き返すのがKY。SとM面白いよね!と、とんでもない返しをするのが漫画好き(のごく少数)。
皆さんがSであってもMであってもどちらでもいいのですが、今、最も蔑まれたくなる漫画として知られる「僕の後ろに魔女がいる」の2巻が発売しました。蔑まれたくなるというのはもちろん、むしろ逆にその目、主人公の相手を人とも思わないような見下した目、そこに注目してほしいと思います。



主人公・ミヤ(職業:魔女)

エークセレントッ!!

超不幸体質の少年・南里くんが転入した学校で君臨していた絶世の美少女・ミヤ。そんなミヤの前の席に座ることになりますが、そこから南里くんの不幸な学校生活がスタートします。南里くんが不幸なのがいけないのか、ミヤと会ったことが不幸なのか・・・。



南里くんとミヤ

いや、普通に自分の後ろに座った女の子がこれだけ可愛ければそれだけで幸せってもんですが、ミヤは一味違います。普通に人が呪えます。ミヤを注意した先生、物を没収した先生、その他逆らった生徒等々・・・原因不明の病などに襲われて学校に来ていません。そのため、学校中から「魔女」として恐れられています。南里くんが来た時には既に、学校中の先生たちもスルーしていたという・・・。
そんなミヤに生け贄としての素質を見出された南里くん。不幸体質が素晴らしいそうです。不幸だから選ばれたというか・・・・、やっぱりミヤに選ばれたのが不幸というか・・・。そもそも父親が借金で蒸発して、各地を転々としていたというだけで不幸なんだけどねー。


ぶっちゃけ、最初はミヤのキャラ漫画じゃなイカと思ってたんですよ。・・・あまりにもミヤが可愛すぎて。しかし、実際にはミヤの南里君に対しての酷い扱いを楽しむ漫画でした。どこがどん底なのか俺は知りたい。多分、ちょっとでもミヤの機嫌を損ねたら・・・死ぬ。ミヤが販売している呪いのわら人形の仕上げが南里くんの不幸の髪の毛だった時は、さすがに可哀想だと思いました。
基本的に1話が4Pの作品で、サクッと読めてクスッと笑えます。読んでいると紙面から恐ろしい高笑いが聞こえてきます・・・。この作品の舞台は小学校で、しかも小4が登場人物なのですが、閉ざされた空間の中でミヤという強烈な個性がいるだけで作品ができあがるわけです。そして、その空間の中には、子供が大っ嫌いな担任、ドM、小4にして腐女子で生徒会長、百合百合な後輩がいるんですよ。どんだけカオスなんだよwww
そんなメンバーをたった4Pで表現しようとするんだから、それはそれはインパクトのある作品です。


とはいえ、やはり一番の魅力はミヤの可愛さなんですけどねー。魔女モードで見下す時もあれば、おとなしいペットのようなお人形さんモードもあり、酔っ払った時なんてそれはもう最高でした。*1




エークセレントッ!!


普通、雑誌の中で短編のギャグ漫画といえば箸休め的な要素が強いのですが、この漫画はたった4Pであってもメインディッシュのように読めます。まぁ、シリウス以外の雑誌で成り立つかは分かりませんが・・・。あと、どうでもいいですがこの単行本硬いよね。角でつついたら致命傷を与えられそうなレベルで硬いよね。さすがはシリウスコミック(←?


どんなキャラであってもギャップがあるのってグッと来ます。ミヤで言えば美少女だけど実は黒いとか。他にも色んなキャラがいますが、ほとんどがギャップ持ちでGOODです。それもこれも全ては作者の山田ヒツジ先生の絵柄の良さがあるからだと思っています。ここまで作風と絵柄の相互作用ができている作品が短編ギャグで読めるのは素晴らしいことだなぁと思います。次は3巻ですか・・・。この作品の続きが気になりますが、最終回が南里くんの死というバッドエンドにならないことだけを祈ります。




*1:お酒は20歳になってから