告白の呼出しをされた少年が相撲の呼出しになる漫画「呼出し一」



はぁーどすこいーどすこい

相撲ですよ!相撲!現実世界の相撲は不祥事続きでゲンナリしてしまうかもしれません。しかし、漫画界では相撲が熱いです。
週刊少年チャンピオンで連載中の「バチバチ」は知っていますか?最近大人気の相撲漫画なのですが、亡くなった父親の跡を継いで主人公の鯉太郎が右も左も分からぬまま、それでもまっすぐ相撲界を突き抜けていく傑作です。これはこれでオススメ。
バチバチ 1 (少年チャンピオン・コミックス)

バチバチ 1 (少年チャンピオン・コミックス)



そして、今、モーニングに新たな相撲漫画が誕生しました。その名も「呼出し一」

呼出し一(1) (モーニング KC)

呼出し一(1) (モーニング KC)

"呼出し"というのは、テレビを見ていて聞こえてくる「にぃ〜しい〜」とか言ったり、土俵周りをウロウロしている男の人たちのことを言います。バチバチが力士の物語であるならば、この呼出し一はその力士や相撲を支える側からの漫画になっています。





いきなり冒頭から主人公の塚地肇が告白されてます。もうホント、全然相撲のニオイがしない主人公です。リア充です。リア充爆発しろ!!そんな主人公がどうやって相撲に引っ張られるのか。


それは親の存在―



・・・呼出し?

父親、母親共に相撲好き。息子より溺愛。挙句の果てに呼出しになるように無理矢理にでも押し付けるほどです。読んでてふと思ったんですが、それなら相撲をさせた方がよかったんじゃないかと思うのは内緒。きっと深い訳があるんですよ。

もちろんそんな親の行動・態度に肇は猛反発。絶対に呼出しになんかなるものかと抗議しっぱなし。




呼出し似合いそう

肇の彼女さんではないです。そして肇の頭は父親によって寝ている間に剃られました。酷いよねっ。
国技館で出会ったミサキという女性に惹かれつつ、相撲にも惹かれていく肇。全く何も知らない状態で国技館で相撲を見ることになった肇にイチから色々と教えてくれます。肇の親達と同じくらいの相撲バカ。
しかし、そんなこともあって相撲の説明が分かりやすいwwテレビで見ていて分かる部分とそうではない部分があってですね、相撲を生で見に行くほどの人たちからすれば当たり前のことでも、知らない側(読者)からすれば新鮮です。相撲の格式を知るという意味では非常にいい漫画ですね。


いやーしかし、本当にこの漫画は面白いです。
作者の中村先生の絵柄が柔らかいのもギャップがあっていいですね。相撲の暑苦しさ(いい意味での)が感じられず、むしろそれらを除いた相撲の優雅さや重厚さが感じられます。相撲シーンなどは、まるで相撲の浮世絵が動き出している雰囲気すらあります。
この漫画は相撲好きがいて、その相撲を楽しむわけです。相撲の勝った負けた以外の部分が非常に面白い。バチバチとはベクトルは違いますが、別の側面からの相撲の面白さを伝えてくれます。

ちょっと父親のごり押しが気になるものの、相撲が好きな人もそうじゃない人も絶対に楽しめる漫画です。まぁ、気になるのは1巻ではまだ呼出しの入り口にも立ってないってことでしょうか。1巻での相撲の良さを伝える漫画から、呼出しとしての本格的な物語になっていくと思うと楽しみで仕方がありません。


サッカーの審判物語をやって楽しいか?野球の審判物語を週刊で読んで面白いか?*1相撲という伝統があるからこそ呼出しという職業(生き方)が楽しめるわけです。力士の皆さんも読んでほしい作品です。超オススメ。
呼出し一(1) (モーニング KC)

*1:もしかしたら面白いかもしれないけど・・・