少女と少女の大冒険「蓬莱ガールズ」

別冊少年マガジンからの新人作家は6人います。諌山創先生、あわ箱先生、佐藤将先生、石沢庸介先生、高本ヨネコ先生、そして山田瑯先生です。恐ろしいことに全作品が面白く、しかも同じような作品がありません。これが講談社の実力です。これが別冊少年マガジンの底力です。それぞれの漫画家さんの特徴は置いといて、今回は蓬莱ガールズです。

蓬莱ガールズ(1) (講談社コミックス)

蓬莱ガールズ(1) (講談社コミックス)

過去のレビュー

蓬莱ガールズは主人公の鈴哥(りんか)と、そのお世話係である陽々(やんやん)という二人の少女の物語です。




上:鈴哥 / 下:陽々

はい、可愛いー。
リンカは小さな頃から家に閉じ込められており、そのお世話としてヤンヤンが姉のように母のように接していました。ただ、リンカが普通の人間であるのに対し、ヤンヤンは蘇摩(ソーマ)と呼ばれる不死の身体を持っています。簡単に言えばキョンシーみたいなものですね。ただ、映画等のキョンシーと違いヤンヤンは可愛いからソーマだろうが何だろうがかまいません。ちなみに映画のキョンシーはビビってまともに見たことがありませんw


リンカは本来であれば父親に殺されるはずだったというちょっと重い設定があったりしますが、そんな家を二人で抜け出し大きな冒険に出かけます。
正直言えば、第1話のレビューでも旅の目的がはっきりしない旨を書いていますが、1巻を読んでも明確かと言われれば微妙かもしれませんね。ただ、新人漫画の中で唯一「冒険をしている」点をどうしても評価したいのです。別マガの言う『いちばん新しい冒険の書のテーマを最も守った作品だと思っています。



旅の目標・・・蓬莱

勝手にリンカが決めた蓬莱に行くという目的はあるんですけど、蓬莱へどう行くのかはまだまだ不明だったりします。そこでソーマを人間に戻すとのことですが、ヤンヤンが蓬莱出身なんじゃないかと疑っているので、そこらへんが主目的になっていくんじゃないかと予想しています。



冒険って子供の頃に憧れたものの1つじゃないですか。行った事の無い場所に足をのばしただけでドキドキしたじゃないですか。そんな感情をこの作品では目で表現しています。リンカの真っ直ぐな眼、ヤンヤンの優しい眼、そこには人もソーマも関係なく冒険を前にした少女たちがいるだけなのです。
決意や喜怒哀楽といった感情を、冒険の中で目で表現する漫画家さんはとても好きです。



大冒険を前にするリンカとヤンヤン



えー・・・・実はこれを書くか迷ったんですが、一度だけお会いしたことがあります。しかも別マガのチラシにサインをしてもらったこともあります。ご本人は忘れているでしょうが・・・。
で、こんなことを書くと贔屓して書いたとか思われるかもしれません。会ったという時点で贔屓じゃないなんてとても言えた人間ではありません。ただ、別マガという個の強い雑誌にあって「蓬莱ガールズ」という作品を立たせているのは間違いないです。それは他の作品に負けず劣らずいい作品だということなんじゃないかと思っています。


編集部から中二病と呼ばれ、元々「蓬莱ストレイシープ」というタイトルになりそうだった作品ですが、面白ければそれでイーノ!・・・って違う雑誌だったな。できればもう1巻見守っていきたい作品です。




あ、ちなみに巻末の編集さんが俺のツボでした。



担当のS木さん

きつい言葉で実は優しい言葉の編集さんとかいいよね!できれば2巻目にも登場してくれないかな・・・・。S木さんのオマケ漫画が付くまで、この作品の応援をやめないっ!!