少年漫画誌の異端児こと秋田書店が続ける一人っ子政策について

週刊少年ジャンプ、マガジン、サンデーに共通して言えることなんですが、これら3誌には姉妹誌があります。ジャンプで言えば赤マル、マガジンではマガスペ・別マガ・マガドラ、サンデーでも超やクラサンがあります。これら姉妹誌では連載ものから読みきりなどを含め様々なジャンルの漫画が連載されており、本誌へのステップアップの場として盛り上がっています。これら姉妹誌での新しい漫画家の発掘も楽しみの一つかもしれません。
実際にはジャンプの場合は姉妹誌ではありませんがスクエアとの関係もありますし、マガジンではマガスペや別マガはほぼ完全に独立した雑誌になっています。サンデーとクラサンは・・・・あまり言いたくはないですが、かなり蜜月な関係です。


そうなってくると、気になるのが週刊少年4誌の一角を担う週刊少年チャンピオンです。


チャンピオンは表向き(一般向け)ではバキ、ドカベン、浦安の3巨頭が幅を利かせていますが、裏では、ギャンブルフィッシュみつどもえ弱虫ペダルといった中堅から、最近ではバチバチやケルベロスといった新連載がチャンピオン読者(通称:紳士・淑女)を掴んで離しません。紳士淑女のチャンピオン熱は相当すごいもので、チャンピオン系サイトでも有名ななんかは正にクレージーの一言。*1


そんなチャンピオンですが、何故か姉妹誌がありません。チャンピオンの系列誌としてはREDや月刊、ヤングもありますが、ジャンプにとっての赤マルのような雑誌ではありません。もちろん、マガジンやサンデーにとっての姉妹誌とは趣きが違いすぎます。REDなんてREDいちごなんていう素敵な姉妹誌があるのに、何故か週刊少年チャンピオンとしての姉妹誌が見当たらないわけです。更に言えば不定期雑誌もありません。不思議です。
そもそも有名な漫画雑誌で姉妹誌が無いのなんてごくわずかです。そのわずかの中に週刊少年4誌、いや週刊少年4大誌たるチャンピオンに姉妹誌がないとはこれいかに。


考えられる理由その1・お金がない
新しい雑誌を作るのにはどうもお金がかかるようです。そのため基本的には売り上げが微妙な雑誌を終了させて、その権利を新雑誌に譲渡するのが主流です。確かにそれに該当する雑誌が現在のチャンピオンにはありませんし、そもそも売り上げが出ることすら?マークがつくわけで。あのチャンピオンがお金にならない商売をするとは思えないことを考えると、妥当な線ですね。


考えられる理由その2・編集の手が無い
そのまんまです。そもそも秋田書店編集部って一体どんな感じなんだろうか・・。編集長次第で売り上げや誌面が変化する雑誌なので、色々と複雑そうですが・・・。


考えられる理由その3・漫画家がいない
そもそも姉妹誌に求められる最大の課題って、本誌に送り込める漫画家を作ることだと思うんですよね。そうじゃないパターンもありますが、今回はそういうことにしといてください。・・・・となると、育てようとする漫画家がそこまでいないということでしょうかねぇ。ただ、数年前まで描いていて今では全然見当たりませんってチャンピオンの漫画家さんが結構いると思うんですけど。そんな漫画家さんたちを集めて新しい雑誌を作ったら面白いと思うんですけどね。そういう話ってないんですか??




まぁ、チャンピオンとしての売り上げはバキ・ドカベン・浦安が相当支えていますし、新人の発掘はそれほど急務ではないのかもしれません。そのため安心して育てようとしているせいか、チャンピオンは中堅どころが強いです。強すぎです。そして、その中堅を育てるために結構な数の新連載を上げては消えていくを繰り返しています。「やっちゃえ」→「だめかー」→「やっちゃえ」→「だめかー」→「やっちゃえ」→「当たった!」→「育てろ」→レッツゴーフィーバータイム!



ジャンプも似たような連載と打ち切りをやりますが、仮にも連載前には読者に一度読ませますからね。ちょっと違うやり方をしているように思います。


チャンピオンはこの「とりあえず」感がたまらなくいい。むしろ他の雑誌に追いつけ追い越せという雰囲気が全くありません。それでもチャンピオン作家からすればその場その場が戦場です。決して抜くことのできない看板漫画、次から次へとやってくる他雑誌作家。それでも自前で中堅を育てたい編集部の思惑。これらが複雑に絡み合っているからこそチャンピオンは成り立っているんでしょう。



「新しい雑誌に構ってる暇なんかねぇっ!!週刊少年チャンピオンがあればいい。それが全てだ!!」







・・・・・と、書いてみたものの、やっぱり姉妹誌は欲しいよね(えー
新しい子供(雑誌)を作ればどっかの政党からお金が貰えるかもよー。

*1:余談ですが、どうも俺の知り合いにはチャンピオン系が多い気がします・・・・。不思議ですが。