別冊少年マガジンの位置づけ

別冊少年マガジン（以下、別マガ）が面白い。むしろ面白すぎると言っても過言じゃないと思うんだ。

以前にですが、という文章を書きました。この期待に対して１００点満点の回答をもらったように思います。最も危惧していた雑誌としての特徴についても、「いちばん新しい冒険の書」という謳い文句通りになっています。ファンタジーを盛り込んだ作品から、作品自体が大冒険状態なもの。ワクワクドキドキしてしまうという冒険にも似た面白い作品がたくさん詰まっています。何故この雑誌の特徴について心配していたかというと、講談社系として雑誌が多いことが気になってたわけです。仮にも週マガからの別冊ということから、マガスペと被るんじゃないかと・・・。同じく新創刊したグフタと被るんじゃないかと・・・。

姉妹誌でもあるマガスペは割と恋愛が強いですが、別マガとの住み分けがはっきりしていていいと思います。グフタは本当に「面白い雑誌」を作ろうとしており、別マガは「冒険した漫画」を作ろうとしています。その冒険した雑誌を極めようとしていたら実は面白い雑誌ができましたという別マガの流れがいいですよね。

コマ割りは講談社系月刊少年誌の特徴通りなんですけど、作品の種類が豊富なのにも関わらず作品たちが向かおうとしているベクトルが一致しており、雑誌自体に力強さが感じられます。実際問題、講談社系で力強さがないのってアレとアレしかないけどね。

ぶっちゃけ創刊号だけ３８０円というデ○ゴスティーニ商法とかいらなかったんじゃね？とすら思えてきます。まぁ、そんな創刊号だけ安くしたのにもやはりそれなりの理由があるわけで。新創刊でさらにマガスペのような姉妹誌が既にあるとどうしても読んでもらうためのきっかけが必要です。そのきっかけ作りのひとつがデアゴス商法だったわけで。

じゃあそのきっかけ通りにうまくいっているかといえば・・・・・微妙だと思います。

そもそも、この雑誌は誰に読んでほしいんだろう？？？実際のところ、漫画読みの知り合いたちからはかなりの高評価です。上で書きましたが別マガは本当に面白いんですよ。そこに異論は一切ありません。しかし、例えば雷句先生のどうぶつの国って結構子供を意識して描いていると思うんですよね。編集部も冒険心を持ってもらいたい層＝子供たちに本当は読んでもらいたいんじゃないのか・・・と。そんな意味も込めて「いちばん新しい冒険の書」と銘打ったと思うんですよ。そのきっかけとしてデアゴス商法で手にとってもらいやすくした・・・・はず。

それなのに何だかんだでやっぱりマガスペと同じ層が読んでいるように思います。まぁ、ボンボン、コロコロほどの子供の心を掴むような雑誌ではないし、本誌ほど有名どころがいるわけでもないのも事実。こんなことを考えていると、行き着く結論はマガスペと同層に対して逆ベクトルの雑誌を読ませたかったということなのかなぁ。で、知ってもらうためのデアゴス商法にまんまと引っかかった俺がいるわけで。そういう意味では大成功なのか。冒険の書と言っていたので、もう少し購買層を低く考えていたのかとずっと思っていたんですが、そうじゃないと半年経ってようやく気付いてる俺もどうかと思いますが・・・。

いや、まぁそれならそれで表紙に妖精の尻尾を入れたりするのもどうかと思うけどね。（←今月号）
せっかく今月の１７日に創刊後初の単行本が出るんだから、それなりの表紙にすればいいのに。よりにもよって本誌作品に表紙の１/３を使うとかどうなん・・・。先月はスクランだったし・・・。

はっきり言って、マガスペ好きも別マガ好きも「週マガにおんぶに抱っこな雑誌」とは一切思っていない！！！出来立てとはいえ別マガは、別マガ作品は完全に独り立ちした面白さを持っている雑誌です。そこにあまり本誌が関与するのもどうかなぁと思いながら表紙を見つめています。まぁ、きっと新規客を狙ったんだろうけどね。冒険＝妖精の尻尾という図式も分からなくはありませんが、~~尾田先生働きすぎです。~~

今月の１７日に単行本が出るということで、東京、大阪、名古屋でサイン会があるそうです。あるそうですと書いていますが、まさか諌山先生が来るとは思ってもいませんで・・・・。今年から名古屋→札幌に来た俺としては非常に悔しい気持ちでいっぱいです。

別マガは面白いという事実だけ知っておいてもらえればいいなぁと思いつつ、ほぼ販促的な文章でした。終わり。