嫁と世界のため・・・友達100人くらい作っちゃうよ!

ラブロマで多くの人の心を掴み、FLIP-FLAPで当たり作家として完全に認定されたとよ田みのる先生。その新連載「友達100人できるかな」の第1巻がついに発売されました。

小学校の教師をしている柏直行と、その愛妻であるサチの間に子供が生まれる―。そんな時、急に宇宙人が現れ、こう言います。


「地球の人たちとコミュニケーションを取れるかテストをします。ダメなら滅亡ね。」


!?



そんな衝撃の言葉とともに直行と宇宙人の奇妙な関係が始まります。何て設定なんだ・・・と思いつつ、もっと驚きなのがテストの方法。直行の小学校時代に戻って友達を100人作る。最も友達が作りやすい時代だった子供の頃に行き、3年生から卒業するまでに任務を遂行しなければなりません。宇宙人(地球仮名:道明寺さくら)がくれた友達を定義するための装置を手に直行が頑張ります。


この話の何が難しいって、子供と友達になることだと思うんですよね。子供の心を持ち続けることは可能かもしれませんが、それでもやっぱり子供ではありません。子供の頃の何にでも疑わない気持ち、純真な感情たちは、大人になった時には失われてしまいます。目線をあわせるって聞こえはいいですが、どこか利己的で生産的な考え方しかできなくなっています。



大人の直行と子供の直ちゃん


直行は地球の滅亡を防ぐという目的があり、特に小学校の先生であったことがそれをより顕著にしています。大人が「子供と仲良くなるには」を真剣に考える漫画として非常に面白いです。



とよ田先生がこれまでに描いてきた「ラブロマ」「FLIP-FLAP」は、男女の仲がよく取り上げられていました。ただ、とよ田先生の良さってこれだけじゃないと思うんですよね。


「真っ直ぐな気持ち」
とよ田みのる作品にはこんな言葉がよく似合います。ラブロマにしろFLIP-FLAPにしろ、出てくる主人公の男の子は常に突き進んでいます。そんな彼らを見るたびにとよ田作品が好きになっていきました。もちろんこの「友達100人できるかな」という作品も変わっていません。直行が地球のため、主に嫁のため、突き進んでいきます。悩みながら、もがきながら友達を作っていきます。友達作りという人生においては単純に見える作業(いや本当は難しいんでしょうが)を頑張る直行を見て、頑張れ頑張れと思ってしまいます。



もちろん恋愛の達人(?)のとよ田先生ですから、直行と嫁の話なんかはとても良かったです。過去に行った直行が今の嫁に会いに行き、やっぱり好きだという気持ちを確認します。



「君が行く未来を僕が守るからっ!!」

最高です。思わずグッときてしまいました。3話目で会いに行くんですが、このタイミングで嫁を救うんだと誓うわけですよ。過去の嫁だったとしても、一生に一度の大切な人間であることを再確認するんですよ。100人の友達を作ろうと固く決意するんですよ。もうね・・・言葉が出ません。



とりあえずとよ田作品は読んで損はないです。割とラブロマの1巻で絵が・・・と思われがちですが、そこでやめるのは勿体無い。本当に勿体無い。是非是非全部読んでください。そして、とよ田みのる作品を語り合える友達を100人作りましょう!!まずは・・・・・僕と友達になりませんか?

友達100人できるかな(1) (アフタヌーンKC)

友達100人できるかな(1) (アフタヌーンKC)

ラブロマ(1) (アフタヌーンKC)

ラブロマ(1) (アフタヌーンKC)

FLIP-FLAP (アフタヌーンKC)

FLIP-FLAP (アフタヌーンKC)