頑張りすぎです優飛さん

スマッシュ!(14) (講談社コミックス)

スマッシュ!(14) (講談社コミックス)

ついに帯文に森川ジョージ先生が登場しました。森川先生といえば週マガスポーツ部門のトップですよ。そのトップからありがたいお言葉をいただきました。

ページをめくる度ドキドキする。
皆様にも二人を見守ってほしい、そして是非見届けてほしい。

水着だらけの表紙でよくこんなことを書かせたなぁ。
はじめの一歩にちょっとだけ足りない恋愛の要素が多いスマッシュ!なだけに、森川先生もわりとそのあたりに言及してくれています。時々、恋愛漫画なのかスポーツ漫画なのか分からなくなる時がありますからねぇ。


恋愛部分では本当に大きな出来事がありました。それは優飛が天上人になってしまったこと。簡単に言えば悲劇のヒロインとしてメディアに取り上げられてしまったことです。それだけ優飛が頑張ってきたという事実もありますが、それを利用しようとする流れが出来上がってしまったことが大きいです。マイナーな競技であるが故に一点突破できるようなアイドルとして担ぎ上げられました。テニスやゴルフの王子様なんていい例ですね。もちろん少し前までのオグシオは言うまでもないですが。



アイドル優飛




そうなってくると優飛が翔太と別れさせられるのは自然な流れです。アイドルにスキャンダルはいりませんからね。ここで気になるのは、咲香里という漫画家さんはそういう流れをどう思って描いているのか・・・です。メジャーになるためにはそうなっていくことも必要だと思っているのか、本人の重圧を考えたらどうかなぁと思っているのか。まぁ、勝手な予想ではありますが、確実にそれに対する答えは持っているものの、あえて重圧を堪える人間と支える人間の物語として描こうとしているような気がします。一度でいいから聞いてみたいものです。



そして、そんな優飛を救うべく翔太が立ち上がります。



メダルを獲ります!!!


メダルを獲ること自体は不可能だと一蹴されましたが、俺はこの翔太を評価したい。これまでの追いつきたいという思いからさらに進んで、絶対に獲ると宣言した翔太を評価したい。スポーツ漫画になくてはならないものである「意志」という点で翔太は成長したなぁと思います。これまでも結構心配してたんですよ。もちろん翔太自信の努力は認めますが、どこか追いつかないんじゃないかという気持ちも微かにあったようにも思います。そんな中で「メダルを獲る」という宣言は嬉しかったです。絶対に獲れよ、翔太!!!



あと、合宿中には美都が来てくれました。翔太も美都との対戦を通して世界の壁を感じ取ったようです。この試合も翔太にとっての成長の一歩。優飛にたどり着くための一歩です。
しかし、そんな美都が認めた人間が翔太の前に立ちはだかろうとしています。名前はまだ出てきていませんが、なかなかいけ好かない感じの男です。どうも世界を体験してきているようです。そんなこともあり日本の中での一番でしかない翔太を見下しています。いくら強くても、もっと真摯な奴ならいいんですけど・・・。美都ですら「強い」と言い切りましたからね。なんか怖い大会になりそうです。



翔太は優飛を支えるべく努力します。そして、そんな翔太を支えているのが亜南です。バドや美羽のことで色々と亜南が支えられていたように思われがちですが、実はバドという面で見ると翔太を支えていました。それはダブルスを組むことになったとこから始まっているような気がします。あれ以来、翔太は亜南となら頑張れると踏ん張ってき・・・ましたよね?




人を信用してはいないけど、翔太のことは尊敬している。それはバドがあるから。ダブルスで一緒にプレーしているから。切磋琢磨しつつ、立ち向かい合っているから。・・・・・バドを通じて繋がる友情。素敵です。
あと、優勝できなかったら優飛と別れなきゃいけないことを翔太が亜南に伝えた時、「じゃあ勝つしかねえな!!」と亜南なりのエールを送ったシーンは14巻の中でもかなりの名シーンです。熱い。「お前ならやれる」と言い切ったあたりも熱い。



ちなみに亜南ですが、美羽とはモヤモヤしています。海斗が入ってきてややこしくなったこともありますが、海斗くらいに素直に気持ちをぶつけられたらいいんですけどね。




この美羽は14巻の中でもかなり可愛いんですが、この時にさっさと好きだと言えばよかったんですよ。というか、美羽にこんなこと言われたら即答で好きだって言うだろ普通。あと余談ですが、巻末おまけの美羽も可愛かったです。



そういえば巻末の話にますが、文化祭の時の委員長と野球部員のお話がちょこっとだけ載っています。普通に読み切りを読みたい。すんげー読みたい。咲先生、是非とも二人の物語を描いてください。というか、モテモテ野球部員がファンからのお弁当攻撃を受けている中、地味な委員長の手作り弁当以外に目もくれないという展開はかなりくる。「宮川(←委員長)の弁当しか食わねーから」とか言ってる青春漫画どーよ?読みたくなるっしょ。



もうスマッシュ!は青春しまくりだなー。・・・・クガピー以外。何というか・・・・頑張れクガピー。



まぁ、14巻で一番頑張ったのは優飛ですが。




頑張りすぎです優飛さん!!